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ぼんやりと窓の外を見る。

自分の髪色よりも鮮やかな青。

鈍い思考回路の中で、ああ綺麗だな、と思った。


ぐるぐると、男の、マスターの言葉が頭を巡る。

『歌うな』と男は言った。


あの日、行為が終わったあと、散々貪られたあと男は言い放った。

一瞬、何を言われたのかわからなくて。

さあっと一気に血の気が引いた身体を感じながら、目を見開いて瞳に男を映せば、にやりとまた厭らしい笑み。


『そもそも歌わせる為に買ったんじゃねえし。でもま、お前がイイコにしてたら、鼻歌くらい許してやっても良いぜ?』


呆然と、男の言葉を咀嚼する。



じゃあどうして!

(どうしてぼくを!)


そう叫びたかったけれど、どこか冷静な思考でもう悟っていた。

抵抗しても、無駄なことに。

マスターの、めいれいは、ぜったいだから。


『これからよろしくな、カイト』


縋るように見つめた先にいたのは、ただの、欲に塗れた男だった。




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