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くすくす。
ふふ。


小さく漏れる、吐息のような笑い声。

真っ白な部屋の、大きなベッドの上、その部屋の中で唯一色彩を持った青い髪が、吐息に合わせて揺れる。


さらさら、ふわふわ。


そんな形容が浮かぶほど、丁寧に梳かれ、手入れされているだろう髪は、どこか人工的でもあった。



吐息が漏れる。
髪が揺れる。
青く美しい男、VOCALOID-KAITOは、ただ笑い続ける。

何も可笑しくはないけれど。
何も愉快ではないけれど。

ただただ笑う。
真っ白な海で、笑い、そしてほんの少しの涙をこぼした。

何も悲しくはないけれど。
ない、けれど。



彼は泣いた。笑いながら泣いた。

声と呼べるかも怪しい、掠れた息を吐きながら。


髪と同じ、青い瞳は、宝石のように美しかった。
無機質で、透明で、手に取りたくなるような。



彼は、笑う。
潰された喉を振るわせて。
光を失った目をうっとりと細めながら。




わらって、いた。




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