未来へのプレリュード カロレスとの出逢い―3 「…皆さん、顔…怖いですよ。声も大きいです。それじゃあ孤児院に居る子達も怖がっちゃいますよ」 どうしてそんなに怒ってらっしゃるんですか? 二日前にこの村で何かあったんですか? 僕に何か手伝えることはありませんか? 口を開いたと思ったら、今度は村人が面食らう程ぺらぺらとよくしゃべる訪問者。 その声は明るく、村人達に怖じている様子など微塵も見られなかった。 …そうだ。その声を聞いた時、思ったんだ。 このひとは、わるいひとじゃない。 このひとは、やさしいって。 カロレスの声はただただ真っ直ぐで純粋だった。 だから、ぼくは――…。 「お願いします…妹を…たすけてください……!!!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |