未来へのプレリュード カロレスとの出逢い (そっか……スキルも、カロレスも…いないんだ) …ぼくはまた…ひとりぼっちになっちゃったんだ。 ――物心ついた時には、既に両親はおらず孤児院に居た。 そんなレイサーとスキルにとって、お互いが唯一の肉親であり、お互いの不安や悲しみを埋められる存在であった。 ふたりは何時も一緒だった。 片時も離れず、就寝時もくっついて寝ていた。 ふたりは幸せだった。 貧富の差が激しい山の大陸、お金の無い孤児院。決して楽な暮らしでは無かった。 けれど、ふたりはそれでも良かった。 お互いと共にあればいいと思っていた。 …が、その幸せは突如終わりを迎えてしまう。 子供を売って金を儲ける…汚い商売をする悪漢達が孤児院を襲った。 すぐに大人が駆けつけたものの、数人の孤児は連れ去られてしまう。 レイサーは悲しみにくれた。 …攫われた孤児の中にスキルが居たのだ。 ひとりぼっちになったレイサーは泣き続けた。涙が枯れても、涙が乾き、跡が付いても真新しい雫を零した。 それは日にちに換算するとたったの二日間だったが、レイサーにとっては永遠とも言える時間だった。 ――そんな時、彼と出逢ったのだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |