未来へのプレリュード
破滅の足音
──忌々しい。『アイツ』が。
『アイツ』を取り巻くモノ、『アイツ』が愛するモノ、全てが。
…そろそろ、始められそうだ。
自分の内に居るモノが、疼く。
早くしろと急かしている。
あれから十一年が過ぎた。
此方の目的を果たす為、『アイツ』の情報を集める為に過ごした時間。
その中で、『アイツ』を最も苦しめる方法を模索してきた。
…ふふふ。
同居人は勿論…あの女も使えそうだ。…よし。
全てが、自分にとっていい方へいい方へと進んでいる。
喜びに思わず笑みがこぼれた。
と、内に居るモノが不服そうに震える感覚。
──ボクは、笑みを湛えたまま、言ってやった。
「解ってる。…ボクは『アイツ』みたいな恩知らずとは違う…。ちゃんとアンタを復活させて見せるよ」
END.
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