X'masな会話@白ひげ海賊団
めりくり2011
「ふっしっちょ〜♪」
クリスマスの宴に向けて皆が浮かれながらも準備の進む甲板で、ミニスカサンタに満面の笑みでもって呼びかけられた
「なんだ、お前、今年も結局サッチのソレ着てんのかよい」
「クリスマスと言えばプレゼントよね?」
会話が成り立たねぇ時ってのは、いやな予感しかしねぇ
「プレゼントなら、マストの下に山積みだろうがよい。勝手に触らねぇように、見張りもつけてあるよい」
「プレゼントと言えばサンタよね?」
「去年のサンタ騒動はもうごめんだよい」
そう、去年はオヤジをサンタにするだとか言い出しやがって・・・
「で、サンタと言えばトナカイよね?」
ニコニコとしながら見せたのは、ガキを乗せたそりを引くトナカイの絵・・・やっぱり、人の返事なんか気にしてねぇ・・・が、
「どこの海にトナカイがいるんだよい!」
無理なもんは無理だとわからせてやらなきゃなんねぇ
「そうなのよねぇ。だから、去年はナシだったじゃない?で、不死鳥ったら今年も捕まえるの忘れてたでしょ?」
「なんで俺がそんなもん捕まえなきゃなんねぇんだよい・・・」
あっさり聞き入れたかと思った直後に俺の責任にされ、ため息とともにうなだれてしまう
「そんなわけで、俺の出番ってわけだ」
イヤな予感が増す一方なのを感じながら顔を上げれば・・・どこから現れやがった!このリーゼントナカイ野郎め!
「サッチは去年の反省を踏まえて、ちゃーんとトナカイのカチューシャ買ってきたのよね?」
「おう!これで今年もミニスカサンタの隣をゲットだぜ!」
親指を立ててニカッと笑うサッチに、後で手ごろな木片を活けてやろうと決心する
「隣じゃないわよ?アタシ、今年はサッチに乗せてもらうから」
「え?な、おま・・・乗せてもらうって、おい、いや、俺はぜんぜん・・・でも、ほら、お前スカート、短ぇし・・・なぁっ?」
分かりやすく舞い上がったサッチが何にか分からない同意を俺に求める。お前いい加減、コイツの笑顔の裏にあるモンに気付けよい
「だめ?」
「いやいやいやいや!喜んでっ!」
普段は『絶対に』見せない不安そうな素振りで首を傾げられ、サッチはまんまと頷きやがった
「じゃぁ、こんなイメージで」
ニコッと見せた絵には、目をハートにして女の乗ったそりを引く残念な男
「あーっ!」
今さら悲鳴をあげたところで、遅ぇよい、ざまあみろってんだよい。ニヤリとして横目でサッチを見てやる
「それなら、スカート関係ねぇ!オヤジにも怒られねぇな!どーんと乗せてやるぜ!」
・・・俺の予想以上に残念な男だったらしいサッチは、舞い上がったショックで思考回路がおかしな方向に切り替わったらしい
「それにしても、どこでそんなくだらねぇ絵を見つけたんだよい」
画力を考えれば自分で書いたはずのない、その絵の出所を尋ねる
「ニュース・クーの足にくくってあった『GL通信』ってのよ?最後の1枚はこれだから」
折りたたんだ紙を開きながら言った「ニューゲートにはOKしてもらったから」という言葉に、再び嫌な予感が頭をよぎる
「やっぱり、サンタのそりは空を飛ばないとねー」
開いて見せたそこにはなぜか、オヤジをそりに乗せて引く俺の姿。ご丁寧に腕は翼に変えられ、羽ばたいているようにも見える
「ふざけんなよいっ!」
「おい、マルコォ!俺のそりはどこだァ?」
ゲッと振り返ると、赤い装束を羽織ったオヤジがニタリと俺を見ている
「いやいや、オヤジ・・・そりゃぁ、勘弁、して、ほしい、よい」
「やだ、不死鳥ったら、さっきデレデレしてたサッチとおんなじ!ニューゲート、息子が照れてるわよ?」
「違ぇよいっ!」
オヤジの悪い冗談をなんとか取り下げてもらったものの、結局ミニスカサンタに後ろからしがみつかれ、空へ舞い上がることになった
「あー、ちくしょー。あんなでっかい袋持ってちゃ見えねぇし」
「アァ?何が見えねェって、サッチ?」
「いっやぁ、オヤジが空飛ぶところを見たかったなぁって・・・」
「おめぇもトナカイだろうが。ちょっと空飛んでこい、グララララ」
「ギャー!だ、誰か受け止めてくれぇっ!」
今年も賑やかなメリークリスマス♪
拍手文
2011/12/12〜2012/01/17
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