海の青と月の気持ち 4 元気でね 運ばれるマルコを見送って白ひげに向き直るゆぅ 「いくら不死鳥でも、溺死じゃ再生できないでしょ?」 「やってみたことがねぇからわからねぇなぁ」 何やらブラックな会話にクルー達は遠くから様子を伺うしかできない 「だめよ、試しちゃ。あんなに綺麗な鳥なんだから」 「俺の自慢の息子だ。そんなくだらねぇ事はしねぇよ」 「ふふ。良かった」 「あ」 ふと気がついてゆぅは船べりへ駆け出し海を見る 遠くであの海王類がこちらを見ている 「ありがとー!!ちゃんと着いたよー!!元気でねー!!」 友に別れを告げるかのように、親しみを込めて大きく手を振る それを確認すると、海王類はすっと海の中へ帰って行った 「海王類の旅は何も気兼ねしなくていいんだけど、期限付きだから大変なのよねぇ。連続だと、またケンカしなくちゃいけないでしょ?今回は4連続だったから、あの子との旅ではホントにぐっすり寝ちゃったわよ」 ヤレヤレといった表情で話しだすゆぅ 「そいつはご苦労だったな」と言って、ポフポフと背中をなでてやる白ひげ 「ってことは、1か月くらい潜りっぱなしだったんだぁ。今度は船で良かったぁ」 ゆぅはふぅと息を吐いてニッコリと笑う 突っ込みどころが満載な気がするのだが あまりに当たり前のような反応をする白ひげに、何か自分たちが間違っているのかもしれないという気がしてくる 「海王類ってのはさっきのあーいうヤツだよな...」 「まぁ、乗ってたみたいだけどよぉ」 いいかげんこの状況に慣れてきたクルー達は、互いに言葉を交わしてみるが理解できているものは、やはり誰もいないようだった [*前へ][次へ#] [戻る] |