海の青と月の気持ち 3 解放 「おい、そろそろ離してやってくれねぇか?俺の大事な息子がくたばりそうだ」 「え−。鳥のままがいいのにぃ」 「グララララ、元気になったら、今度は呪い無しで抱いてやってくれ」 「そっかぁ!そうしよう!」 腰を下ろした白ひげの腕からゆっくり降ろされるゆぅ マルコをそっと甲板へ横たえると、やっと人の姿に戻れたもののどうにも顔色が悪い 心配そうに眉を寄せ一言 「んー…お風呂に入れてあげないと」 「グララララ、随分優しい事言うじゃねぇか。水ぶっかけりゃ良くなるだろうが」 「ううん、足んない。やり過ぎちゃったぁ……湯舟にでも沈めないとダメ」 「(沈めないとって....!!)」 こんな力の入らない状態で沈められては、三途が見えるに違いない 抱き上げようとするゆぅに 「風呂くらい、ウチの息子どもにやらせときゃいい」 「そぉ?一応、能力者じゃない子にしといてね。被害者が増えてもめんどくさいから」 被害者……… って、めんどくさいとか! 「おい、能力者じゃねぇやつ2人、こいつを風呂に放り込んでこい」 茫然と様子を見ていたクルー達が、その声ではっと我に返り周りと顔を見合わせ始める 指示を出された2人の男が近づきマルコを持ち上げる 「2秒くらい全身が沈めば大丈夫だから」 ゆぅが心配そうな表情で2人に声をかける 「別にギュウギュウ押し込んで沈めなくていいからね。日頃なんか思うところがあるなら、好きにすればいいけど、死なない程度にね」 「「(.....何の心配だっ!!)」」 なんだか怖いので心の中で突っ込むクルー達だった [*前へ][次へ#] [戻る] |