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海の青と月の気持ち 〜 JOKER
8 言いたい事

「何が気に入らねぇ?」



ゆぅが自分の落とされた船縁の方をビシッと指すと、水柱が勢い良く上がり、4人の男が甲板に転がる。続いて、大きな水の玉のようなものがこちらへふわふわとやってくる


「能力者....アタシをおびき出す為なら分かるけどね?狼狽して誰彼構わず投げ飛ばしたでしょ?」

ゆぅは立ち上がると、その中に手を入れ、男を取り出す


「洗ったから、乾かしといてっ!」


近くにいたクルーにその男を投げつけると、腰に手を当て仁王立ちになりドフラミンゴに向きあう



「アタシがいなくなることが、そんなに不安?こうやっていつも連れて歩いてあげようかっ?」


首に繋がる鎖をジャラリと引くゆぅ



ふざけたようにドフラミンゴが答える


「ゆぅ姉ぇには昔置いてかれたからなぁ?」


「.....アンタ....誰よ」


「ハァ?」


「アタシは昔拾った坊やに会いに来たんじゃないっ!ソレが望みなら....その名前、返しなさいよっ」


悔しそうに怒っているゆぅに、何も言わないドフラミンゴ


「強くなったらまたきっと会えるって....アタシ、そう言ったでしょ?そのために名前あげたのに、アナタがゆぅ姉ぇって呼ぶのは、いらないってこと?」


俯いて鎖を握りしめるゆぅ


「ちゃんと強くなって自由にやってたのに.......アタシがアナタの弱さになるんじゃ、一緒にいれないっ」


「......言いてぇ事はソレだけか」


「っ!坊やの船に乗るくらいなら、漁船の方がマシよっ!」


溢れる涙をこぼさないようにと、ゆぅは目をギュッとつぶって叫ぶ


「お前、用事があるんだろうが。さっさと行け」



ゆぅはドフラミンゴを睨みつけると、思いっきり鎖を引く.....が、鎖はドフラミンゴの首からスルッと抜ける



ドフラミンゴの頭上に漂ったままになっていた水の玉を、その鎖で殴りつけると、大量の水がドフラミンゴに降り注ぐ



何も言わずに背を向けると、ゆぅはそのまま船を降りて行った




「おい、セバスチャン....色々と予定変更だ」



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