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海の青と月の気持ち 〜 JOKER
5 遅い帰り

「あの、ドフラミンゴ様?」


「フッフッフッ、セバスチャン。ちゃんと見たか?どんだけ見えた?」


小さく溜め息を落とし、スーツの男…セバスチャンは答える


「背中と脚くらいでございますよ.....それより、乗せていくのに捨ててしまわれたのは一体...?」


「あ?……そう言やぁ遅ェ…怒って行っちまったか?いや、鞄は持ってくだろ…」


5秒で帰ってくると思ってたのになァ?など、ぶつぶつ言いながら船縁から海を覗き込むドフラミンゴにつられて、隣から海を見る



「おーい、ゆぅ〜?ゆぅちゃ〜ん?」


――はぁっ?!隠れたペット探してるんじゃないんだから…そんな猫なで声で…


そっと様子を伺っていたクルー達も、何か見てはいけない物を見てしまった気になる



「………おいっ!全員こっち来て探せっ!!」



先程までとは打って変わったドフラミンゴの怒声に、一瞬ひるむものの慌てて船縁へ駆け寄るクルー達だったが…


「探してこいっ!!」


近づくなり首ねっこを掴まれ、海へ放り投げられてしまう



海に落ちる音が5つ目を数えた時、小さいがはっきりとした声が聞こえた





「ドフラミンゴ、何してんの?」





その声に、掴んでいた6人目を離し海を覗くドフラミンゴ。だが、そこには自分が投げたクルーしか見当たらない



「ドフラミンゴ」



もう一度呼ばれた声に振り返ると、甲板の中ほどにゆぅが立っている。片手は胸元で服を握り、うつむいている



「ゆぅっ!」


急いで歩み寄ろうとするが、それに合わせてゆぅは小さく後ずさりをする


「お前が思い通りにいくと思うなとか言うから、分からせてやっただけじゃねぇか、フッフッフ」


ドフラミンゴはクルー達の前まで出て留まる


「俺は思い通りやって、聞かねぇ奴は捩じ伏せる。お前だって帰って来たじゃねぇか。いまさら何、逃げてやがる?」



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