海の青と月の気持ち 〜 JOKER 4 誓い 「ゆぅ、大層なお出迎えじゃねぇか、お兄様達が総出で祝ってくれるみたいだなァ」 甲板からは白ひげとマルコが並びこちらを見下ろしている。2人の周りだけでなく船室の窓やマストなど、あらゆる所からクルー達が様子を伺っている 「サッチ、ジョズ、上がって来いよい」 マルコがドフラミンゴを睨みつけたままそう言うと、二人は甲板へと上がっていく 「お前達はそのまま、そこにいろよい」 「フッフッフ、さっきより随分機嫌が悪ぃじゃねぇか」 「ウフフ、だってドフラミンゴったら本当にここまで来ちゃうんだもん。マルコは白ひげが大好きなんだから、しょうがないでしょ?」 髪色の変わったゆぅに釘付けだったクルー達は、その言葉にたじろぐ --マルコ? --白ひげ? ざわつくクルー達とは対称的に、変わらぬ調子で話しかける白ひげ 「いい色になったじゃねぇか、ゆぅ」 「ありがと。あなた達が無事にここへ連れてきてくれたおかげよ」 にっこりと微笑むゆぅ 「随分他人行儀じゃねぇか。で、そいつぁ花嫁の父に殴られに来たのかァ?」 「フッフッフ、それはご勘弁いただきたいもんだ。俺は今、ゆぅを抱えてて手が離せねぇからなぁ」 「そんなに大事に抱え込まなくても、ゆぅは逃げてきゃしねぇだろうが。それとも、もう逃げられるようなことやらかしたかァ?」 「いやぁ、俺のもんになったんだ、誰も触ってくれるなってことさ」 サングラスの奥で何を企んでいるのか… 「...おい、ゆぅを泣かすんじゃねぇぞ」 声を落とした白ひげが念を押すように告げた 「それは俺の勝手だ。約束できねぇなぁ」 サラリと言い放ち口角を上げるドフラミンゴに、張り詰めた空気が甲板に広がる...が、それはすぐに起こった甘ったるい声に消される 「え〜やだぁ、アタシにイジワルするつもりなのぉ?」 首に回した腕を伸ばし、ドフラミンゴの顔を覗き込むように首をかしげてゆぅは尋ねる 「約束できねぇだけで泣かせたいわけじゃねぇ...あぁ、夜は別だがな」 一瞬固まったように見えたゆぅに、彼らしい嬉しそうな笑顔を見せるドフラミンゴ ゆぅはドフラミンゴのすぐ目の前まで顔を寄せると…… 額に「ゴンッ」という音をさせ「もぅっ!」と、また彼に体を預ける --やっぱりゆぅだ… --ゆぅなのにな コソコソと広がる囁き 「だがな、たとえ泣かせたとしても、お前を愛してる」 全く気にしない様子で言葉を続けるドフラミンゴに、どうせ怒られたからそんな事を言うのだと返す 「愛してる。それは誓ってやる」 「誓う!?ドフラミンゴがそんなこと言ってくれるなんて思わなかったわ」 驚きの表情で見つめるゆぅ 「フフッ、こいつらの前で誓ってやるさ」 じっと見つめるゆぅに顔を寄せ、ドフラミンゴは甘いキスを始める [*前へ][次へ#] [戻る] |