海の青と月の気持ち 〜 JOKER
ラブレター
「なぁ、さっきから白とか黒とか何言ってんだぁ?あ、頭が白ぇからか?」
「おいおい、ルフィ。いくらなんでもそりゃぁねぇだろ」
「間違いでもなかろう。最初に会った時、こいつが白い旅人で俺が黒い旅人と呼ばれていた」
3つ折りの手紙を開きもせず、じっと見つめたままのゆぅに代わり、ミホークが答える....ので、ウソップはビクついてしまう
「た、たびぃ、旅人ぉですかぁ」
「うむ。そもそも俺はただの旅の剣士だったのを、こいつに唆されて海賊に....」
「人聞きの悪い事言わないっ!....ねぇ、ナミぃ、ビビぃ」
指をさしてミホークの言葉を遮ると、ゆぅは手紙を持ってナミとビビに駆け寄る
「手紙、どうしよう!何て書いてあるのか....アタシ....」
「何よ、ゆぅらしくないわねぇ」
「そうですよ、わざわざお手紙下さったんですから、心配する必要なんて....」
「アタシ....簡単な文しか、読めないの」
「「..............」」
「ゆぅ!てめぇ、文武両道のおとぎ話はウソかよっ!」
「ウソじゃないわよ!最近は読む必要なんてないから覚えないだけで、昔の文字なら古代文字からバッチリなんだからっ」
ウソップと言い合うゆぅに一つため息を吐くミホーク
「今の文字は酒場のメニューくらいは読めていたな。そうかと思えば、密林の遺跡にある文字なのも分からん物を見てニヤニヤとしていた」
「さすがストーカー。好きでもないくせに余計な事までよく見てるわね」
「なに、その程度の読解力でも問題ない」
「な.......アンタ、読んだのっ?」
「受け取った時にな」
「勝手に人のラブレター読んでんじゃないわよっ!」
「ああ。ドフラミンゴにもそのような事を言われた」
「....もういいわよ」
小さくため息をこぼし、手紙を見つめるゆぅ
えいっと上のひと折りを開く
―― そろそろ ――
「『そろそろ』何なの....帰って来い?それとも......オシマイ?」
「ゆぅ....」
1番上に書かれたその一言。呟くゆぅの声はわずかに震えている。その肩に手を置くナミとビビ
2人に頷くと、ゆぅは残りをゆっくりと開いていく
真ん中には何も書かれておらず、彼のシンボルがデカデカと透かしで浮かんでいる
開ききると1番下に一文が現れる
「「...........え?」」
その一文に戸惑うナミとビビ
ゆぅの手を離れた手紙がヒラリと甲板に舞い落ちた
――そろそろ
ヤりたくなったんじゃねぇか?――
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