海の青と月の気持ち 〜 JOKER
船長室
ある日の夕方、サウスブルーでの最後の島が見え始めた。知らせを聞いた全員が甲板に集まり、そのまま宴になだれ込む
ゆぅがキッドにくっついているのを、キラーを中心にヤジを飛ばして盛り上がるのも当たり前の光景となった
翌日キッドが昼寝をしていると、キラーが部屋にやってきた
「キッド、ゆぅの様子がおかしい」
その口から出た言葉に、黙って立ち上がるキッド
そういやぁ今日はまだ甲板に出てねぇし、寂しがってるかもしんねぇ
「いや、そうじゃないんだ。元気は元気だ。座ってくれ。大丈夫だから」
目の前の椅子に座ったキラーに、怪訝そうな顔をして渋々座るキッド
妙に体がだりぃから、やたら寝ちまった
「じゃあなんだ?アイツが普通じゃねぇのは初めからだろうが」
「ゆうべは楽しかったか、キッドくん?」
「てめぇ、虫酸が走るようなこと言ってんじゃねぇぞ。ゆぅの話はどうしたっ」
キラーはしばらくゆぅの話でキッドをからかい続ける。キッドは怒りながらも自分とゆぅの話を止めさせる気にはなれなかった
「....最近はずっとベタベタしっぱなしじゃないか。さっきもおかしいと言っただけで。ククッ。俺やクルーの様子がおかしくても、放っておくだろうになぁ」
「あ"?ヤキモチか?」
「ゆぅが『あの人』というだけで青筋を立てるお前と一緒にするな。ちなみに今ゆぅは『あの人』の話をいろいろとしてるんだ。だから甲板に来るなと言いに来た」
「んだとっ!」
「ハハッ、そうやって、俺達に八つ当たりされたらかなわないからな」
ドアのノックに不機嫌全開の声で答えるキッド
「頭、まだ具合悪りぃか?なら、せめてキラーは戻ってくれよ。泣いてたゆぅがついに倒れちまったぞ!」
勢いよく立ちあがったキッドは、「ダメだったか」と呟くキラーを睨みつける
「キラー、てめぇさっき....くそっ、一緒に来いっ」
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