海の青と月の気持ち 〜 JOKER ジリジリと やはり気のせいではなかったか.... 相変わらず船内には入って来ないものの、最近はすっかりウチの海賊団にも慣れて、クルー達とバカをやったり、俺と一緒になってキッドをからかって遊んだりしているゆぅだが 「ねぇ、キッドくん」 出た。島に降りたとたん、手をつないだかと思うとこれだ 「この島にはいつまでいるの?」 「明日、と言いてぇとこだが、スコールのせいで余計な買い物が増えたからな。遊ばせるヒマがねぇ。ってことで明後日だ」 おかしいのはゆぅだけじゃなく、普通に受け答えしているキッドもだと思うんだが 「んー。1回ね、全部の倉庫の荷物、出した方がいいよ?この前、日干しとかしたの、浸水したっぽいとこだけでしょ?」 「十分じゃねェか。1度に全部なんて面倒なことやってられっかよ」 「だめだよ、キッドくん。荷物が少なくなった今がチャンスなんだから。知らないうちにカビ部屋になってたとかいやでしょ?」 だいたい、わざわざキッドにこんな説得じみた話なんてせずに、力ずくでクルーを使って「やっといた」とか言ってもおかしくないはず.... 「うぜぇぇぇぇ。おい、キラー。どんだけかかると思う?」 「....あ?あぁ、全部なら、出すだけで丸1日はかかるんじゃないか?」 「出すだけでいいのよ。この際、直したり細かく選別したりしなくていいから、ダメっぽいものは捨てちゃって新しい物にした方がいいよ」 「この前のヤツラからちょっといいモンぶんどったからって、調子に乗んじゃねぇぞ?」 で、でこピンって、おま....はぁ、俺の方が頭痛してきた.... 思わず額に手を当てうなだれるキラー 「この規模の町なら、たいていのものは揃うんだから、ここで準備しちゃった方がいいと思うの。この後はグランドライン直前の島まで小さい島ばっかだったよ?」 「....ん?ゆぅ、なんでこの後の島の事を?」 「やだ、キラー。スコールの時のあいつら、地図持ってたじゃない。キッドくんじゃないんだから、キラーはちゃんと見ておかないと!誰か持ってきてたよ?」 「俺じゃねぇんだからって、どういう事だァ?」 お前、ホントにキッドか?頬をつまんだところでそんな甘い声じゃ、いちゃついてるだけだって分かってるか?むしろ....「キラーじゃなくて俺を見ろ」みたいになってるぞ? ジリジリと3歩後ずさってしまう 「きっろくんが熱くなる分、キラーはれいしぇいでいてって....もう、はにゃしてっ!」 キッドに頬を掴まれたままで話していたゆぅが、その手をペチンと払いのける ゆぅ、お前もだ。船でなら間違いなく頬をつままれた時点でボディーブローだろう! いや、そもそもゆぅがおかしいから、キッドもつられておかしいのか?....もしかして、俺がおかしいのか? 「グランドラインの入り口なんか、どうせ海軍がチョロチョロしてて、下手したら食べ物だって買えないかもしれないんだからね?」 面倒臭そうな顔をしながらも言い返せないキッドは、ゆぅを睨みつけている ....つもりなんだよな、キッド? お前たち、そんなに様子が変わっちまったら、なんかわざわざ声に出して突っ込むのもアレじゃないか.... キラーはまたジリジリと2人から離れて、クルーの方へ....逃げ出していた [*前へ][次へ#] [戻る] |