海の青と月の気持ち 〜 JOKER
やって来た海軍
「ホントにガープの世話になるの?」
「ロジャーが任せろって言うんだから、間違いないわ。大丈夫よ、ゆぅ」
ゆぅがルージュに確認したのは、ロジャーの元から戻ってきたあの日、すべてを話した後だけだった。それ以上は単に自分のワガママになる事は分かっていた
ロジャーの処刑後間もなく、海軍が島へとやってきた。ロジャーが子供を残した可能性があると
「面倒なことになったわね....ルージュ、島を出る気はないの?アタシがいれば、例えボートでもどこにだって行けるわよ?」
「そんなことをしたら、私ですって言ってるようなものよ。それに、私の夢はどこかに行って見つけるものじゃないわ」
そんな話をしながら昼食を取っていると、外が騒がしくなりドアが激しく開かれる。ゆぅはコップの海水を一気に飲み干す
「おい、妊娠している女には一度来てもらう事になった!貴様たちの調査をさせてもらうぞ!」
「貴様『たち』だと?俺ぁ、コイツが『今日来るはずだった友達が来れなくなった』とか言って泣くから、無理矢理、女の格好させられてんだがなぁ?」
ゆらりと立ち上がり振り返るゆぅは、外に出る時の男の姿になっている....服と髪を除いて
「友達ってのも、てめぇらがうろついてっから来れねぇらしいじゃねぇか?その上、俺のこんなザマまで見やがって....」
不機嫌オーラ全開でこちらに来る女装の男に、海兵達は思わず後ずさる
「活きのいい兄ちゃんには、わしが話をつけるとしよう」
「なんだ、てめぇは?」
「ガープ中将!」
男の威嚇に逃げ出さないでいる事が精一杯だった海兵たちが安堵の声を上げる
「黙っとりゃ、いい女に見えんこともない。ちょっとガタイはでかいがな」
「ふざけやがって!」
ガープは殴りかかろうとするゆぅの胸元を押し返して部屋へ叩きこんだ
「お前たちはよそを回れ。このお嬢さんに子供がいるかは聞いておこう」
バタンと閉められたドアの前で茫然と立ちすくむ海兵たち。その耳に『彼』のどなり声が聞こえる
「俺のガキもまだできてねぇのに、ふざけた事言ってんじゃねぇ!俺が寝とられるようなマヌケに見えんのかよ!」
続いて、何やら暴れているような物音が続いているので、海兵たちはそそくさと立ち去った
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