海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
女神
「え?ちょ....はぁっ?何よ、それ!」
それは、確かに....心残り、かもしれないけど、こんな別れ際に言う事!?
ゆぅは赤い顔のまま、ドフラミンゴを出して海水の玉を持ち上げる
「やはりキッドが狙われたぞ!全速前進だ!逃げろ!」
指示を出したキラーも、雄たけびをあげて答えるクルー達も、楽しそうな声で。つられてゆぅもクスリと笑う
「アンタ達、連帯責任よっ!」
笑顔のゆぅが投げつけた水玉は、船のはるか上空を飛んでいく
キラリと水玉から落ちてくるものを捕らえたキッド。手の中にはエメラルドの体に金の装束を纏った小さな像
「それ、アタシの国を作った女神さま!お守りにあげるわ!」
ニヤリとしたキッドだったが、後ろで起きた轟音に眉を寄せる
「おい、疫病神じゃねぇだろうな?」
「完全武装して生まれた戦いと知恵の神さまよ!守護神としては最高じゃない?」
「キッド、あの時ほどじゃないが、お前の運にかけるしかなさそうな大波だ」
キラーの声に舌打ちし船首へ向かうキッド
「心残りなどと、大げさな。この程度の女など、どこにでもいるであろう」
だが、思いがけない声にその足を止める
「俺は5年も連れ回されたが、ヤる気などカケラもおこらなかったがな。まったくもって、理解できん」
「アンタ、バカじゃないの?そんな話はとっくに終わってんのよ!そんなんだから摩訶不思議男だって....」
「すぐにバカというような短絡的な人間だから、あのようものを作り出すのだ。その船を飲み込んだ後、この浜辺にもやってくるぞ」
「だから、何?」
ニヤリとしたゆぅにため息をついたミホークは、背中の剣を抜く
「そういうことか。小賢しい」
「借り物にできた事が本物にできないわけないでしょ?もちろん、船はキレイに残せるわよね?」
「砕けた後の波は知らん」
憎々しげにゆぅを横目に見ると、ミホークは大波を切り倒す
大きな歓声をあげるクルー達に怒鳴るキッド
「ここからだっ、バカヤロウどもが!」
浜辺でニコニコと手を振るゆぅに片手をあげて船首へ向かうキラー
「お前みてぇな疫病神はいらねぇが、この女神は俺のもんにしてやる」
不敵な笑みを残し、キッドは仲間たちの元へ向かった
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!