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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
うねりの兆し
「ゆぅじゃねぇか!」


呼びかけてきた声の方に振り返ると、小山に盛ったチェリーパイを差し出される


「チェリー酒なら貰ってもよかったんだけどね」


「相変わらずだなぁ、ゼハハハハッ」


「ティーチは、変わったわね。欲しい物が手に入ってふっきれた感じ?」


「さすがは女王サマ、あの大所帯でろくに話もしてねぇ俺の事までお見通したぁ、恐れ入るぜ」


「アタシに声かける時、いつもは隠してた野望が疼いちゃってたでしょ?今は必要な物が手に入ったから、もう野望を隠す必要がなくなった」


「違ぇねぇ」とティーチがニヤニヤ嗤う


「想いの強さにムラがあって変な子だと思ってただけよ」


たいした興味もないように肩をすくめるゆぅ


「俺は白ひげの船を下りた。独り身ならお前ェも乗せてきたかったが、あの時のままか。残念だぜ」


「今、ドフラミンゴのところにいないとしても、ティーチをお供にはしなかったと思うわ。お客さんになら、なってあげるけど」


「ゼハハハハ、冷てぇじゃねぇか。最強の力を手に入れたんだ、お前ェにも勝てるかもしれねぇぜ?」


「所詮、能力者。海には抗えないわよ。ウフフッ、沈む覚悟があるならやってみる?」


「恐ぇ、恐ぇ。俺はこのあと、コイツを追いかけなきゃなんねェんだ。死にかけてるヒマはねェ」


ヒラリと出したのはルフィの手配書


「フフッ、その子、仲間にはならないと思うわよ?」


「そうか?まぁ、味覚はまったく合わなかったがなァ、ゼハハハハ」


ゆぅの隣に現れた白い影


「美しいお嬢さんに、ゲホッ、リンゴをあげよう、ゴホッゴホッ」


瀕死にも見える男が白い馬の上からリンゴの入った籠を差し出す。ゆぅは一番上のリンゴを手に取って微笑み返す


「あら、ありがと。じゃぁアナタ、これを食べてもう楽になったら?」


「ゼハハハハッ」


「楽しいお友達ね、ティーチ。ヒマつぶしにもなりゃしないけど」


「いやぁ、俺達は運が良かった。ここでゆぅに吹っ飛ばれたら、一生海には出られなかったぜ」


「粉々になっちゃったら、まずかき集めるのに時間がかかるもの。ここは海に近いからまだいいけど....その間、身代わりで海に幽閉してもらってもいいかもね」


「そいつはカンベンだ。そろそろ時間だ、俺は行くぜ、ゆぅ」


「じゃぁね、ティーチ達」


ゆぅはクルリと背を向け歩き出す


フフッ、ルフィも来たわね。残念だけど、勢いはルフィ達の方が上みたいよ、ティーチ





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