海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
見当
『今夜の、満月で....』
「アァ?お前にくっついてる両親が手も足も出せねェのに、遠くの妹に何を治してもらうつもりだ?」
「死なせて....たまるかってんだよい」
「海に入らなきゃ治らねェヤツと海に入ると弱るヤツがくっついてんだ。相手を治すたびに自分の命を削ってんのは、てめェらが一番わかってんだろう?」
馬鹿にするように大袈裟に嘆いてみせたドフラミンゴがニヤリと嗤う
「フッフッフ、美しい自己犠牲で、共倒れだなァ」
「ならば、さっさと離れればよかろう」
「それができねェから死にそうになってんじゃねェか。仲良くしてんのが気に入らなくなった中の海が、ゆぅからも力を吸い上げて、内側を海で満たしてコイツを殺そうとしてんだろ」
「そのためにゆぅが消えそうになってもか?いや、そういう事ならば、先にコイツを斬ればゆぅが助かるということだな」
背中の剣に手をかけたミホーク....が、顔をしかめながらゆっくりと手を離していく
「フッフッフ、もう一度戦争がしてェのか?頭数は減っちまってるが、まだまだおっかねェお兄サマがこんだけいるんだ、七武海2人っきりじゃぁ心許ねェじゃねェか」
「不快な技だ、さっさと離せ」
ドフラミンゴは能力を解いて、その手を白ひげ海賊団へと向けた
「1番隊の隊長サマに人払いを頼みてェんだがなァ?俺の部下共も、大好きなゆぅをあんな遠くから見てんだぜ、イイ子によ?」
ミホークの引き起こした殺気はまだ消えない
「俺にはどうすりゃいいか見当がついてんだ。だがな?こんなそばで睨まれてちゃ、先にアイツらで遊びたくなっちまう」
「....ジョズ、頼むよい」
「フフッ、何なら俺の船に乗ってもいいんだぜ?忠実な部下になるなら大歓迎だ、フッフッフ」
彼らはドフラミンゴを睨みつけながら距離を取っていき、ギリギリ声の届く所まで下がった
『どうすれば....いいの?』
「ゆぅも心中する気はねェってことだな?そんなにべったりくっついてんのは気にいらねェ、手伝ってやるさ」
不死鳥の目の前まで来ると、ドフラミンゴは左胸のエメラルドに手をかける
「いつまでもこんなモン付けてるから、海の力がロクに使えねェんだろうが。改めて、子離れしてもらおうじゃねぇか」
ドフラミンゴがエメラルドを引き抜くと、青い炎が傷をふさいでゆく
『ちょっと!アタシの力がこんな勢いで戻ったら、マルコは!』
「いや、大丈夫、むしろ楽になったよい」
ドフラミンゴが続いて右胸のエメラルドを抜くと、同じように不死鳥の体は炎で再生していく
が、最後の真ん中のエメラルドに手をかけると、ドフラミンゴは眉を寄せ動きを止めた
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