海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
どうする
海から離れたゆぅはマルコの首に手を回し、キラキラと輝く青い炎の羽毛に顔を埋める
「あの時と同じね....ありがと、マルコ」
「シッポを取るなんて簡単な事だろい?」
マルコは翼をゆぅの背中に回し、抱き合うようにしながら頭を撫でていたが、
「ほら、それじゃあ飛べねぇよい」
と、背中へ行くように促す
「あの時みたいに投げ飛ばしてくれるヤツはいねぇんだからよい」
初めて会った時を思い出して、苦笑しながら言う
「うん。でも、このままで、大..丈夫....」
眠そうにも聞こえる静かな声で答えると、マルコの青い炎にゆぅの体が熔けはじめる
「っ!!ゆぅっ?!」
そのまま、キラキラと青く輝きながら吸い込まれるように熔けていき....ゆぅの姿は消えて無くなった
呆然としていたマルコ。が、意を決したように大きく羽ばたいて空へと舞い上がった
彼には分かっていた
......ゆぅはココにいる
そのまま浜辺を何度か旋回してみる
特にいつもと変わりはない...
胸にゆぅの温かみを感じる以外は
「ゆぅ、いるんだろい?」
「うん、これが空なんだね、マルコ」
「気に入ったかよい?」
「うふふ、みんなあんなにちっちゃい」
眼下では、消えたゆぅを心配してのことだろう、家族たちがあちこちを探すように歩き回っている
時々こちらへ顔を上げるのは、上空からゆぅを探していると思っているに違いない
なぁ、お前ら....
俺がこのままゆぅを連れていなくなっちまったら....お前らどうするよい?
「望み」
End.
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