海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
わかんない
そうじゃ、ない。マルコはマルコだった
でも、そんな事を言ったって....気休めにもならない
「どうなんだ、ゆぅ?」
ジョズの声は優しいけど、逃げたりごまかしたりを許さないって感じで
「そこまで言ったんだ。余計な事は考えずに、思った事は全部言っておけ」
もう一度、マルコに回した腕に力が入る
「マルコはマルコよ....飲んだり、騒いだり、ふざけあったり、怒られたり」
この島で、あの船で
「呪いから助けてくれたのも、エメラルドをあげたのも、暴走を止めてくれたのも」
大きく吸った息と一緒に、胸の中の言葉や思いを吐き出してしまえればいいのに
「不死鳥じゃなくて、マルコだって分かってる!分かってるのよ....」
アタシが涙を流すなんて、とんだお門違いだって分かってるのに、溢れ出てしまったものは枯れるまで流れ続けるんだろうか
「でも、わかんないの。このいろんな気持ちが、マルコだからなのか、不死鳥がいるからなのか。もし、マルコが不死鳥じゃなかったらなんて、全然想像できない」
そんなの、考えたくもない
「海と話せないのが心細くって、助けてくれたマルコに安心できるだけなのかもしれない。あの楽しかった船が懐かしいだけかもしれない」
言葉をどれだけ並べても、胸のつかえは取れることなく、むしろ苦しくなる一方で
「とにかく、アタシには不死鳥の存在が大きすぎて、マルコの事だけを見たり考えたりできないのよ!」
いつの間に人の姿に戻っていたのか
マルコがアタシの両腕を掴まえて、そっとその体から引き離した
これで....もう、おしまい
きっと、これで、よかっ....
「俺は顔を見て話がしてぇって言ったはずだが、さすがに今日振り返る勇気はねぇ....明日また、この時間、太陽がてっぺんに昇った時に来てくれよい」
「っ!なん....で?」
見上げた背中がそれに答える事はなく。アタシの手を離したマルコは、「また明日だよい」とだけ言って立ち去ってしまった
浜辺に残されたアタシは、海に帰ることもできずにそのまま砂の上にへたり込んだ
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