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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
空元気
皆、呪縛が解けたようにマルコに駆け寄った


「大丈夫か、マルコ!」


「へ....あの、ワガママ娘に....ワガママ、通してやったよい」


「ワガママ?」


「明日も、ゆぅはここに来るよい」


「....は?」


間の抜けた反応に、マルコはガバッと起き上って怒鳴った


「は?じゃねぇよい!お前ら、もうゆぅとは会えなくてよかったのかよい!」


だが周りの者は相変わらず「何を言っているのやら」という表情をしている


「ゆぅなら海で待ってんだろ?」

「確かに、海賊がいつまでも島でぼやぼやしていてもな」

「『足かせ』なんて大げさな事言ってよ」

「でも、最後のアレは凄かったよな。ありゃさすがのオヤジでも逆らえねェ勢いじゃねぇか?」

「掴まえに行けたマルコの方がびっくりだぜ。俺なんかゆぅを見てるだけで精一杯だったのによ」

「でも、ゆぅに会えねぇと思ったんじゃ、そりゃ必死にもなるか」




ワハハハと笑い声のあがる中、眉をひそめ視線を落としたマルコが絞り出すように呟く

「そう言うことじゃ、ねぇよい」


誰の耳にも届くことのない言葉。だが、楽しそうな雰囲気を破る別の声がした


「ゆぅはもう俺たちに会う気はねぇぞ」


静まったその場の視線が一斉にジョズに向かった


「最後のアレこそが別れの言葉だ....ホントはお前らだってわかってんだろうが....」


一様に下がった視線。頭でわかっていても、受け入れる事ができない


だから無理に良いように解釈して笑っていた




「でもよ、海に出たら、今回みたいにまたいつか会えるんじゃ....」


「ゆぅを理由に決めたらダメだ....俺たち、前にシッポが取れたら一緒に船に乗るのかってゆぅに聞いたんだ」


わずかな望みの言葉を、あの宴の時に話をした彼らが遮る


「嬉しいけどわかんねぇって。乗ったとしても白ひげ海賊団に入るわけじゃねぇから、そんな理由で決めねぇように、みんなには黙ってろって」


さらに重くなったような空気に、いくつものため息が重なった




「だから、明日って言ってんだろい?」


再びマルコに視線が集まる


「来るとは言ったが、話す気なんかねぇかもしれねぇ。それでも、俺たちの言う事を聞いてはいるだろうよい」


立ち上がり、取り囲む者たちを見回す


「言いてぇ事があるやつは文句でもなんでも言ってやれよい。これからの事なら、続けるんでも止めるんでも自分で決めたことなら安心するだろうよい」


「お前は、どうすんだ、マルコ?」


「俺はどうしてぇかなんて、とっくに決まってんだよい」




翌朝、夜には戻ると言い残して、マルコは空へと飛んで行き....マルコもゆぅも戻らないまま、浜辺が夕日に照らされ始めた




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