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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
こどもたち
「愛しい海賊、アタシのこどもたち....」


足元から上がる蜃気楼のようなものが、ベールのように薄くゆぅを包んでいく


ゆっくりと目を開き、誰を見るでもなく、それでも全ての者を見ているゆぅ




「何にも縛られず、支配されず、気の向くまま自由に生きよ」


「っ!それは....」

マルコとジョズが顔を見合わせる


「やりたい事を全てやるなら、泣いているヒマはない。全力で生きて、笑いながら死んでゆけ。アタシが全部見届けてやる」


「女王の....」


―― 戦いながらこんな事言われちゃあ、前を見て生きるしかねぇよなぁ。大した女王だ、グララララッ ――



あの時聞いたゆぅの過去。国を失い、生き方を見失い、泣きくれる民へ放った言葉


「アタシは、いつでも、海にいる」


それを今、自分たちへ




包む蜃気楼が見せる幻は、かつての姿


ゆぅの頭に乗る小さなティアラ....女王の姿で女王の言葉を....


羽織ってなどいなかったマントを翻し、彼らに背を向け歩きはじめる


遠い昔に人々が見たであろうゆぅの姿を、皆ただ呆然と見送る


頭に響くのは女王から「俺達」への言葉







「待てよい」


ただ一人その幻にとらわれることなく、ゆぅの腕を掴んだマルコ


ゆぅは振りほどく事も振り返る事もなく海を進んでいく


「ゆぅっ!」


膝まで浸かり力が入らなくなってくるマルコは、それでもゆぅの腕を離さない


「こんな....こいつらだって急に言われて、ああそうだな、なんて....理解できても納得できねぇよい!ゆぅっ!」




マルコの腰の高さを越えた海に。いよいよ無くなりそうな意識とゆぅの腕を必死に掴む


「明日っ!必ず、明日も....ここへ....俺は........このまま......いなく......なる、なんて........認めねぇ......よい......俺は........もう......」


「わかったわ....明日、ね」


沈みゆくマルコにその返事は届いたのか....




ゆぅの姿が海に隠れると、波に押し戻されるようにマルコの体が浜に打ち上げられた




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あきゅろす。
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