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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
もう、大丈夫
この島に来てから、ひと月半
ゆうべは照らす光のない新月の夜


一人、海に浮かびながら空を埋め尽くす星を眺めて、こんなにもキレイだったんだ、なんて思ってた





不安とかは、ない。きっと、もう大丈夫


『しっぽ』が海から離れないだけ


力でも刃物でも火でも切れない事は実証済み....ふふっ、マルコの視線がまたうるさかったんだった


太さは変わらないけれど、変えることはできるから、見えないくらい細くして島のいろんなところへ行くことはできる


みんなは知らないけど




常識はずれに海を使う事はできないけれど、人としての力なら....十分人並み以上


アタシは、もう、大丈夫







「どうしたよい」


そっと伸ばした腕で、マルコはゆぅの頭をポンポンと叩いた





波は穏やかで風の緩やかな午後


波打ち際に座り話をするゆぅとマルコの姿はもう日常の光景となっていた


白ひげ海賊団の面々も、そんな様子に安らぎさえ覚えて、思い思いに過ごしている




「海を見る目が優しくねぇよい」


「そんなこと、ないわよ」


「ああ。きっと、俺にしかわかんねぇよい」




毎日毎日


ここへ来たゆぅをずっと見てきた。誰と話そうが、どこへ行こうが、何をしようがずっと


海へ帰った後も心にゆぅを感じ、眠りに落ちるその瞬間にゆぅを思い浮かべる


眠りの世界で逢いたいと願うのは、あの頃から変わらない事なのだけれど、目を覚ましてゆぅが来るのを待つ事は喜びに変わった


ふと会話が途切れて、潮騒が2人を包む。そんな時間さえ愛おしい




....ゆぅが、ここに、いる





「ねぇ、マルコ」


「ん?」


呼びかけられて初めて、海を見たままのゆぅをずっと見ていたことに気づいた




「アタシ、もう....






ここに来るの、止めようと思う」




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