海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
戯れ
ゆぅのあごに手をかけて少し上を向かせると、瓶を傾けて中身を流し込んでいくマルコ
もぅっ、やられたっ!
少しずつだけど、思うようには入ってこない液体を飲み込むっていうのは、結構たいへんで....
睨んでんのに、なんかぼーっとしてるし!
酒の、せいか?....こいつは、やべぇよい
少し苦しげで伏し目がちなゆぅ。その口に瓶を突っ込んでる俺....俺がゆぅにそんな顔をさせてんのかと思うと....
こみ上げてくるモンを抑えようと飲み込んだ音が、ゴクリとやけに響いた
視線がぶつかり、わずかに目を見開く2人
なんなの?跳ねた鼓動に胸が締め付けられて、別の苦しさが....睨みつけてるはずの視線から力が抜けていく
そんな目で見るんじゃねぇよい....思考が、頭が霞んで....あぁ、ゆぅの口を塞ぐのは瓶じゃねぇだろい、俺の....
そっと瓶を離せば、最後の酒をゆっくりと飲み込むゆぅ。その喉元に食らいつきたい衝動に駆られ....一気に駆け上がる何かは、もう、抑えがきかねぇよい
ゆぅに近づこうとした時、誰かに呼ばれて意識が飛んだ
ビスタとイゾウに突っ掛かるマルコを皆面白がってるが、大人しすぎるゆぅが気になって様子を見に行った
「何やってんだ?いいかげ....おいっ!いい加減にしやがれ、マルコ!」
ゆぅと目があった瞬間思考が弾けて、気がつけばマルコをぶっ飛ばしていた
ゆぅは酒瓶を抱えたまま、ぼんやりと俺見ている
「一度これは離せ、ゆぅ。お前らもいつまで見惚れてやがる!」
ビスタとイゾウに瓶を押し付けると、ボーッとしてやがったこいつらもハッと我に帰る
「すまねぇ」
「悪かった」
「....ジョズ〜」
倒れるように力が抜けたゆぅを抱き留めてやる
「大丈夫か?まったく、こいつらは....」
「ゴメンね、アタシが色々調子にのりすぎたんだと思う。3人は巻き込まれちゃっただけよ。怒らないで?」
「そうかもな。だが、お前らがしっかりしてりゃあ、こんな事にはならなかったんだ」
「....ねぇ、ジョズ?ちょっと風にあたりたいから、お散歩に付き合ってくれる?」
反省してろっと、砂浜に正座させられた3人をおいて、ジョズはゆぅを肩に座らせて浜辺を歩いていった
「よくジョズは、あれに惑わされなかったな」
「ちっ、相変わらずのシスコン野郎だよい」
その日からゆぅは、自分の調子を戻したいと言って、白ひげ海賊団の誰かを相手に稽古に明け暮れるようになった
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