海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
海賊の海
海を......怖いと感じた
荒れ狂う嵐の海
飲まれれば一貫の終わりの大渦
常識を超えた高波
それとは別の....意志あるものとして
ゆぅさんを連れて船を停めた海岸へ着いた時。海から放たれた....敵意のような感情
海に入っていけば、それは怒りだとわかる。ゆぅさんを傷つけた事に対しての
引きずり込もうとする海の強い意志
だからとて、渡すわけにはいかない
我々の大切な人を
命令されたからなどではなかった
今回の事件があったからでもなかった
もう、とっくの昔に
彼らにとってゆぅは
ドフラミンゴの女などではなかった
傷を癒し、ベッドに運ばれたゆぅ
あとはしばらく体を休めていればよいと言うゆぅの周りに、クルー達が集まっている
「2年前、ゆぅさんの樽が放り出されてしまった時。皆にどうして止めなかったのかと責め立てられました」
苦笑するセバスチャン。周りで大きく頷くクルー達
「ドフラミンゴ様が指示を出されない時は、ゆぅさんらしい噂のあった島を廻ったりもしていたのです」
「お前ら、そんなムダな事してやがったのか」
船長室にも関わらず、ソファに追いやられているようなドフラミンゴが口を挟む
....が。どこの島がどうだったとかの話で盛り上がり始める彼らにスルーされ....いや、それ以前に気にも留められていない
「ゆぅさんがいらして間もないころ、ドフラミンゴ様がおっしゃっていたとおりなのです。我々にとってゆぅさんは海。それほどに愛おしい存在なのですよ」
ゆぅは自分を見る顔をぐるりと見まわし、
「そういう、ことなら、悪く、ないわね」
嬉しそうに笑った
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