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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
ヤキモチ
ニヤリとしたゆぅの後ろ、構えたまま微動だにしなかったビスタは、驚きの表情でゆぅに尋ねる


「ゆぅ....お前に向かった弾で俺への弾をはじいたのか?」


「うふっ、ご名答。イゾウならきっと先にアタシの方へ撃つと思ったの。ビスタを信じてね」


「それがわかっていたとしても、そうそうできる芸当じゃないぞ」



「ったく、やってくれるじゃねぇか」


半ばあきれ顔でやって来たイゾウにパッと振り返るゆぅ


「イゾウの狙いが正確だったからできたのよ?まさにドンピシャだったもの!ありがと、イゾウ」


ゆぅは嬉しそうにイゾウの両手を取って引き寄せると、ニコニコと笑いかける


おいおい、こりゃぁ....

「....なに、たいした事じゃねぇさ」


ゆぅを見つめたまま、その手を握り返すイゾウ


「...なぁ、ビスタ」


マルコをからかうのも面白ぇが、俺のモンにしちまうってのも....

「次に標的にされんのは俺だろうな?」


「あぁ、違いないな。そら来た」


イゾウの頭に飛んできた酒瓶を受けるビスタ


「ちょっと!危ないじゃない!」


こちらを向いて文句を言うゆぅが、まだイゾウの手を離さないのが気に入らないマルコ


「妙な色気を出すヤロウが見えて手元が滑っちまったよい。喉も渇いただろうから、飲むといいよい」


「では、ありがたく頂くか」


コルクを抜いて飲み始めたビスタを見て、声を荒げるマルコ


「何やってんだよい!そりゃ、ゆぅのだよい!」


「そうか、悪かったな。ほら、ゆぅ」


ビスタが瓶を渡そうとした時、次の酒瓶が飛んでくる


「ゆぅ、危ねぇ」


ゆぅの手元にきたはずの瓶を、横からイゾウがキャッチして同じようにすぐに飲み出す


「ゆぅのだって言ってんだろうがよいっ!」


「ハハッ、つい、な。ほらよ」




2人から受け取った酒瓶を両手に持ちニコニコとしているゆぅの元へ、マルコがドスドスとやってくる


「お前のはこれだよい!」



最後の瓶を渡そうとするが、すでにゆぅの手は塞がっていて....固まるマルコを見たゆぅは、いたずらが成功した時のように面白くてたまらないとニヤニヤしている


マルコの何かが切れ....ニヤリと口角があがっていく


「飲めないんじゃぁ、しょうがねぇよい」


そんな脅しは想定内、と、言葉を返そうと開いたゆぅの口に、瓶があてがわれる


「んっ!?」


「俺が飲ませてやるよい」





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