海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
いつも通り
点となった船が水平線に重なった
マルコが、抱きしめたままだった腕の中のゆぅに目を向けると、白い髪、紅い瞳に戻っていた
「やっと思い出した?ずっと頭にあご乗せられてて痛かったのよ?息苦しいのに体も動かせないし、シャンクス達も途中までしか見送れなかったし」
「あぁ、すまねぇよい。それより....」
「しがみつくほど寂しいんなら、マルコがシャンクス達と行けばよかったじゃない」
「違ぇよいっ!寂しいとか、何を気色の悪ぃことを....」
「で、『それより』何?」
言いたい放題で、まともな会話になりゃしねぇよい....いや、ここでのせられて怒ってるようじゃぁ....
「ハァ....海の色が無くなってるよい」
「え?あ、ホントだ。やっぱり気を抜くとダメね。エメラルドにもっていかれちゃう」
「服を覗き込むんじゃねぇよい!」
あの時撃ち込まれたエメラルドは、体を戻した時から服の下に隠されていた
「大丈夫、見えないから。見ようとしたら、父上のエメラルドがピカーって光るかもね。目の安全は保障できないわよ?」
「そういう事じゃ....もういいよい」
「そ?潰されないように、目を隠した子がいたんだけど」
「んだとっ?」
勢いよく振り返ったマルコの目に映った....
ニヤニヤと嗤う者
ククッと笑いをこらえる者
ヤレヤレとため息をつく者
後ろから聞こえたアハハハという笑い声につられ、目の前に起きる大きな笑い
シャンクスがいなくなり、彼を頼りにしていたゆぅが寂しがるのではと危惧していた彼らは、いつも通りの様子のゆぅに安心もしていた
「ゆぅ、いい加減にしろよい....」
ゆっくりとこちらを向くマルコに、ゆぅは笑い声を止める
だが、ゆぅは睨み下ろしたマルコの前で満足そうな笑みを浮かべている
「だって、仕返しだもの。3倍、5倍は当たり前でしょ?」
顔が熱くなったのは、そんな返事への怒りのせいで....ふにゃりと崩れたその笑顔のせいなんかじゃねぇよい
自分に言い訳しながら動けないマルコ
「さ、戻ろっか、みんな!」
ゴキゲンに歩き出したゆぅに続き、彼らはいつもの居場所へと戻っていった
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