海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
復活、海賊業
「そんなに調子にのって、大丈夫なのかよい?」
「食べて飲んで歌って踊る!」
呆れながら尋ねたマルコに、踊りながら満面の笑みで答えるゆぅ
「素直にコレが楽しめるなんて、やっぱり海賊家業は最高ねっ!」
その言葉に一段と盛り上がる一同。ゆぅに手を引かれて2人は騒ぎの真ん中に入る
「海賊ゆぅの復活よ♪かんぱ〜い!」
宴は朝日が昇っても続き、ゆぅが「ちょっと疲れたから」と入っていったのは、夕焼けに染まった海だった
「おーい....ゆぅ....」
弱々しい声に振り返ると、ベンに支えられたシャンクス
「なぁに?飲みすぎは自業自得でしょ、二日酔いでも三日酔いでもアタシのせいじゃないわよ?」
クスクスと笑いながら戻ってくるゆぅに、なんとか顔を上げるシャンクス
「しょうがないだろ?ゆぅが楽しそうに飲んでんだ、俺だって飲みたいじゃないか」
ベンの肩から腕を離し、ヨロヨロとゆぅに近づいたシャンクスは、倒れ込むようにゆぅに抱きつく
「ちょっと、もう!ベン、このまま沈めちゃってもいい?」
「ああ、酔いも多少は覚め....」
「ゆぅっ!」
苦笑しあうゆぅとベンの会話に割り込みシャンクスが叫ぶ
「うるさいってば!耳元で叫ばなくても聞こえるって。沈むのがイヤなら離れなさいよ」
「俺達はもうすぐこの島を発つ。お前も一緒に来い」
「えっ?」
驚きの声をあげたゆぅから体を離し、顔の高さを合わせたシャンクスの笑顔
「海賊業も復活したんだろ?俺の船のお客さんになってくれ」
「でも、アタシ....」
そのシャンクスの向こう側に2つの海賊団の男たちの姿
「まぁ、俺の酒が抜けてからだから、その時までに船に乗れるようになっておけよ」
ゆぅをクルリと反対向きに向かせると、シャンクスはゆぅの背中をポンッ押して、自分もベンの元へ戻っていく
押された勢いで足を踏み出したゆぅは、そのままゆっくりと進み、海の中へ戻っていった
翌日も、翌々日もゆぅは姿を現さなかった
「お前が余計な事を言うからだよい!」
「具合が悪いんだ、静かにしてくれ。だいたい、来るも来ないもゆぅの自由だろ?」
「っ!お前に連れて行かれねぇように、出て来ないだけかもしれねぇよい」
半ば負け惜しみのようなセリフを吐いたマルコに、だるそうにしていたシャンクスはゆっくりと起き上って睨みつける
「それも、ゆぅの自由だ....ベン、明日の朝、出るぞ。みんなに伝えてくれ」
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