海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
銃弾
「よくやった、ゆぅ」
抱きしめるでもなく、傷を治すでもなく
頬に手を添え、そう告げたドフラミンゴにクルー達は驚きを隠せない
「お前が頑張ったおかげで、俺の大事な部下どもはかすり傷一つねぇ」
「ミンナ、ニゲ、ラレ、タ?」
焦点の合わない目で、呼吸すら苦しそうなゆぅが、懸命に声を出す
「あぁ。お前には感謝の言葉しかねぇらしい。アイツももういねぇ。お前も俺達と一緒に帰るぞ」
「ミンナデ、イッショニ?アタシモ?」
「誰も追いかけて来ねぇ。お前も一緒にだ」
一つ大きく深呼吸して目を閉じたゆぅ
「ヨカッ....タ」
硬直していた体が緩み、後ろにかかる重心をドフラミンゴが腕を回して支えてやる。ゆぅがゆっくりと目を開く
「ありがと、ドフラミンゴ」
まだ息苦しそうにしているが、視線はドフラミンゴをしっかりと捉えている
「もう、その忌々しい玉を抱えておく必要はねぇ。さっさと抜いちまうぞ」
左肩に手を伸ばしたドフラミンゴよりも先に、そこにある銃弾にかかる手
「これは、私の....ありがとうございます、ゆぅさん」
「セバスチャン。無事で、よかった」
抜くまでもなく、それを含めた4つの銃弾がポロポロと落ちる
「泣かないで?取って、くれて、ありがと」
「本当に....ありがとう、ございます」
次は俺のを....と詰め寄るクルー達。無事を確認すると彼らから守った弾が落ちていく
「残ってんのは全員のために体はった分だ。全員無事なのは分かっただろう?」
すべての銃弾を放したゆぅを抱え上げ、ドフラミンゴはクルー達に言った
「ゆぅを海に浸けて治してやれ。ただし、持っていかれるな。絶対にだ」
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