海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
掛け合い
いつものように波打ち際に座り、ふぅと一息ついたゆぅの前に、マルコが腕組みをして仁王立ちする
「無理して走るんじゃねぇよい。またぶっ倒れたらどうすんだよい。お前の体は俺達じゃぁなんともしてやれ....」
「うるさーい!お説教はいらないわよ、マルコ。無理してないもの、ちゃんと途中で休んだじゃない。だいたいねぇ....」
「だいたい、お前はすぐに調子に乗るんだよい。人の話もろくに聞かねぇで、くだらねぇ口答えばっかりしやがって....」
「マルコの説教ジジイ!」
「んだとっ?みんなお前を心配して集まってんだよい。ババアのくせにガキみたいな事ばっかり言いやがってよい」
「バ....言っちゃぁいけない事を!海が使えるようになったら、海びたしにしてやるんだから!」
「何だ、その『海びたし』てのはよい?やれるもんならやってみろい。どうせ目の前の事に夢中になって、すぐ忘れるよい。ガキでババアだからねい」
「な....普通に水掛けるくらいなら今だってできるのよっ!」
海の中へと少し下がり、バシャバシャと水を飛ばし始めるゆぅ
普通以上に飛んでくる海水に慌てたマルコは、砂を蹴り飛ばして応戦....しようとするのをジョズに留められている
「ゆぅ、それじゃガキを認めてるようなものだ。ジョズも巻き添え喰らってるしな。オシオキは元気になってからだろう?」
ピタリと動きを止めるゆぅ
「マルコもビスタの半分でも紳士ならこんな事しなくていいのにねぇ?」
「フフッ、それはそれでつまらないだろう?何をそんなに急いで来たんだ?」
「そうだった!」
波打ち際まで戻って来たゆぅに、隣に座ったジョズが軽いゲンコツを落とす。マルコは少し離れゆぅの正面に座った
「シャンクス達が隣の島まで行くんだって。アタシはまだ無理だけど、アンタ達も行ってきたら?」
騒がしかった彼らが口を閉ざしたので、ゆぅはきょとんとする
「遠慮してんの?あんまり慣れ合いたくないとかなら、この島で船借りたら?往復だけなら1週間だから、アンタ達には物足りないかもしれないけど」
だが、彼らは顔を見合わせてばかり
「あぁ、そっか。お金ならマルコに借りればいいのよ」
「お前、いい加減にしろよい。俺たちがどういう状況でここにいるか....」
「マルコがくれたこのエメラルドにどんだけ価値があると思う?全然足りないけど、とりあえずアタシの鞄に入ってる宝石全部と、あとは....」
「やめろよいっ!俺はそんなつもりでやったんじゃねぇよい!ソレは、金に換えられるようなもんじゃ....」
ゆぅから顔を背けて立ち上がり、マルコは姿を変え空へ舞い上がってその場を離れていった
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