海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
当たり前のこと
「ふふっ。しょうがないわよ、何十年その夢抱いてたのよ」
話しだしたゆぅに、マルコは顔を上げる
「あの人と海を行く事を望んでいたのは他の人と同じなのに、これから皆をどうするかを決めなくちゃいけないってことでしょ」
「....ああ」
確かに、それも、ある
「まったく、息子たちを甘やかしすぎたの?長男坊が困ってるじゃない」
また、ふふふっと笑って丘を見るゆぅ....その優しい眼差しを見つめるマルコ
「自分がどうしたいかしか考えられないって言っちゃえば?それもまだ決められないって事も」
「いや、しかし....」
「これからのことは自分で考えなきゃって事くらい、みんなわかってるわよ?あの人の代わりにどうこうしようなんて、考えなくていいの。それはみんなの望みとは違うもの」
子供の姿のゆぅのまっすぐな視線と言葉
「自分のやりたいことが、あの人のいなくなったこれからも家族でって事なんだと思ったら、それから考えればいいの。順番を間違えちゃダメよ」
「....相変わらず、本質を当たり前のようにさらっとついてくるよい」
苦笑して答えたマルコにゆぅはニッと笑って立ちあがる
「だって、当たり前のことなんだもん。自分ではわかりにくいけどね。で、ごめん、マルコ。やっぱり....だめ」
笑ったまま謝るゆぅに、不安がよぎる
「何が、ダメなんだよい?もう....」
「もう海に戻んないと、しんどいなぁって」
ハハハッと大きく笑いながらシャンクスが近づいてくる
「ゆぅ、俺はしばらくここに居ようと思ってるんだ。調子のいい時にでも顔を見せてくれないか?」
「....まずこの辺で体を治したり、力のコントロールとか付けるつもりだから、別に構わないけど....なんで?」
「ソレを埋め込んだ当人としては、それなりに元気になったのを見届けたいんだ」
「そんなの気にしなくっていいのに〜」
クスクスと笑いながら海へ入っていくゆぅを、マルコは見送ることができずに俯いている
「ゆぅ....その、いろいろと、ありがとよい」
「え?何もしてないわよ?情けない顔のままだけど、話はあれだけで終わりだった?」
つい、ガバッと顔を上げてしまったマルコを赤髪が笑っている
....そんなことはどうでもいい
「シャンクスの話、聞いてなかったの?アタシちょくちょくここに来るから、その時にでも聞いてあげるわよ。他の子もねぇ〜」
あの時、船に乗っていたヤツらが、いつの間にか俺の後ろに集まっていた
「また....会えるのかよい?」
「何言ってんの?当たり前じゃない。じゃぁね!たぶん....また、明日!」
ゆぅは手を振りながら、海へと戻っていった
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