海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
エメラルド
エースと親父に語りかけたゆぅは、俺たちに見向きをすることもなく去ろうとしていた
いつのまにか手の中に握り締めて温かくなっていたソレは、持っているのが不思議なほど熱くなり、その存在を俺に訴えている
―― あ、そーだ。不死鳥、これあげる
―― この前の満月の時に呪いを治したでしょ?あの時のエメラルドのカケラを集めたの
2つのエメラルドがゆぅの胸に輝く
そのちょうど真ん中
....俺を呼ぶような淡い光
そっと、ゆぅをこの腕に
やっと、抱きしめる事ができた
「ゆぅ?」
ずっと、呼びたかった名前....
コレなら、ゆぅを眠らせてやる事ができる
今なら、まだ力が戻りきってもいない....止めてやれる
両親の魂が宿るわけではない....エメラルドに俺の魂が持っていかれるとしても構わない
ゆぅの存在しない世界など....海のない世界の海賊など
ゆぅの胸にあてた俺のエメラルドが吸い込まれていくにつれ、海のように冷たい体が温かくなっていく
力の入れ物が必要なだけらしい。それなら、俺は....
「おやすみ、ゆぅ。ゆっくり寝ろよい」
崩れる体を抱き上げて船に乗り込んだ
「QUEEN」
End.
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