海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
おやすみ
周りには目もくれず、白ひげの元へ行き傍らに座り込むゆぅ
静かに体を横たえた白ひげの頭をそっと撫でながらゆぅは語りかける
「隣にいるのがエース?うふっ、寝顔がルージュにそっくりね」
嬉しそうに笑うゆぅ
「ロジャーの事はいくらでも....嘘も真実も耳にするだろうから、いつか会えたらルージュの話をしてあげようと思ってたのよ?」
その瞳に映るエースに、ルージュの姿が重なる
「ほんの一歩遅かったわ、ごめんね。でも、そんな穏やかな顔で眠れたんなら....余計な心配だったのかもね」
白ひげに目を移して「ありがと、ニューゲート」と呟くと、頭を撫でていた手を止め目を閉じた
大きく息を一つ吐いて、ゆっくり開けた瞳で白ひげを見つめたゆぅの顔
「家族を求め、家族と共に生き、家族のために死んでいった....宝を手に、夢を追い続けた、いい生き様だったわね。おやすみ、エドワード・ニューゲート」
それは慈愛に満ちた優しい笑顔だった
「さて、アタシも行こっかな。おとなしくしてれば、1、2週間くらいはもつと思うんだけど」
すっと立ち上がったゆぅが振り返り柔らかく笑う
「ドフラミンゴ、連れてってくれる?....マリージョアに。特別なんでしょ?」
「待てっ、ゆぅ!」
「無駄だ、赤髪。聞くわけがなかろう」
「フッフッフ、パートナーの頼みでもねェのになァ?最後のデートにご指名とは光栄だ。一緒に暴れてやるぜ、狂乱の女王サマ」
「ならば、俺も行こう。下には下りて来ぬ強き者がいるであろう」
「まったく。七武海だから、連れてってもらうのに都合がいいだけ。アタシをおいたらさっさと帰りなさいよ?モタモタしてたら放り出すからね」
「ゆぅ....本気なのか?」
「そんな悲しい顔しないで、シャンクス?さっき心の底にあった想いが出ちゃったもの。アタシはマリージョアのあいつらを憎んでる」
言葉とは裏腹に柔らかい笑顔は変わらない
「JOKERも時代の変わり目って言ってたでしょ?マリージョアが吹っ飛んだら、世界はどうなるかしら....とか言って、家が何軒か壊れるくらいだったりして」
ゆぅはクスクスと笑いながら、ドフラミンゴとミホークの腕に自分の腕を絡めて歩き始める
「アンタ達2人は時代を変えた大英雄?大悪党?歴史に残るわね」
「JOKERが泣いてやがる。『生まれ変わるだけだったのに....止まらないなんて』ってなァ?」
いつものように嗤うドフラミンゴ
「生まれ変わるじゃないねぇ?ちょっとハデなだけで....JOKERの事がわかるなんて、やっぱり特別よ、ドフラミンゴ」
「昔、お前を捕らえたとかいうモノで何とかならぬのか?まったく、周りを巻き込む才能など結局迷惑なだけだ」
いつものように呆れ顔のミホーク
「ほぼ普通の体の時だもん。体力を使い果たしただけよ。そんなモノあるわけないでしょ?まぁ、海の力が及ばないように閉じ込められてたくらいよ」
ゆぅは2人の間でいつものように楽しそうに笑いながら、「じゃぁねぇ〜」と立ち去った....
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