海の青と月の気持ち 
〜 QUEEN
QUEEN
モノクロの世界に現れた青い海は震えるように泣いていて、小さく崩れてうなだれた
やがてゆらりと立ち上がり、大きく、大きく....温かく広がる。この島を包もうとするかのように
ここにいる者
帰ってきた者
還っていった者
母であると、QUEENであると告げたその海からは、ただただ温かさが伝わり、悲しみに固まり涙で冷え切ったこの心さえも包み込む
これが俺達の、海賊のQUEEN....
優しさと慈しみと温かさ。それだけを取り出したような、母なる海
不意に弾けた海........現れたのは、ゆぅ？
ラベンダーの髪をピンクの羽が包む
あの時のように
溶けかけた心に針が疼く
あの時と同じ痛み
この想いはなんだったか
泣いているゆぅ
泣かすなとオヤジが言ったのに
溢れる涙が海になる
海はゆぅの涙だったのか？
広い海の、どれほどまでがゆぅの涙なのか
さっきよりも強く大きく広がったあと、再び弾けて小さくなる海
小さくなる....ゆぅ
「大好きよ、アタシのドフラミンゴ」
何も聞こえないのに、そんな言葉だけ耳に残して、消えそうになるゆぅ
ゆぅ....ゆぅ
お前まで俺の目の前で逝ってしまうのか
消えるな、ゆぅ
俺達は「死なない同士」。この想いは....
―― ソレに名前をつけるなら、『同類の情』ってやつよ。アタシ達、『再生しちゃう』仲間ってこと！
「ゆぅ....」
無意識に漏れた呟きが聞こえたように、ゆぅの中の海が震え....瞬きながらゆぅを満たしはじめる
起き上がり、笑いながら話すゆぅが、ふと気づいて、こちらへやって来る
......？
俺は何を見ていた？
海？QUEEN？
....ゆぅ
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