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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
アタシの....
衝撃と共に、再び弾けた水の羽衣


虚構を見つめていたゆぅの瞳が閉じられ、体から力が抜けていく


「....ゆぅ....ゆぅ」


ゆぅを抱えてうずくまり、呟くように名を呼ぶドフラミンゴの声と波の音だけが聞こえる





左右の胸元にあるエメラルドが同調してキラリと光ると、ゆぅが小さく息を吐く


「ゆぅっ」


呼びかけに応えるようにゆぅはゆっくりと目を開け、ドフラミンゴを見た


「泣か、ないで?」


「....俺は泣いてねェ。何が見えてる?」


「じゃぁ、泣いてるのはJOKER?....ごめんね、ぼんやりとしか、見えない。フフ、ドフラミンゴの嗤い顔は目に焼き付いてるのに」


まばたきさえもゆっくりで、そのまま瞳が閉じられてしまうのではないかという思いに駆られる


「ありがと、ドフラミンゴ。たくさん笑って、たくさん泣いて、楽しかったわ。いつも、俺のモンだって言ってくれて、とっても嬉しかった」


「まだ終わっちゃいねェ。これからもずっとお前は俺のモンだ」


「フフ、でも、もうすぐ終わり。ドフラミンゴもわかるんでしょ?アタシの事はなんでも知ってるんだから」


「終わっても俺のモンだ。言っただろう?俺は特別だって」


「アタシの全てを知ってる人も、フフ、アタシを海に放り出した人もいなかったわ。でも、ミホークみたいに追いかけてくる人も、ニューゲートのように偶然に再会する人もいなかった」


ふぅと息をつくゆぅ


「みんな、特別なのよ。同じ人なんて、いない。魂が同じだとしても....さっきドフラミンゴが言ったじゃない」


「そういう事じゃ、ねェ。パートナーがもうじき終わるのは確かに分かる。だがな、それで終わらねェ確信もある」


「困った人....あぁ、もう、その答えが出るわね」


ゆぅの髪から、ラベンダーの光が舞い始める


「ゆぅ、もう一度....」


「フフッ、聞くなんてらしくないわね」


そっと目を閉じたゆぅに、唇を重ねるドフラミンゴ


「そんなに不安そうなキス....契約した時とおんなじね」


「くだらねェ事覚えてんじゃねェ」


「くだらなくても、アタシには大事な、思い出、よ」


ゆぅは白い髪に戻り、次にアメジストの瞳が輝きを失っていく


「ゆぅ....」


「ありがと....大好きよ、アタシの....」


―― アタシのJOKER?
―― ドフラミンゴ、JOKERなの?


この期におよんで....くそっ!結局俺は、ただJOKERだったって事なのかっ


「フフッ、大好きよ、アタシのドフラミンゴ」


「っ!ゆぅっ....俺の、ゆぅ」



ゆぅは閉じていく瞳の中で、ドフラミンゴの頬にひとすじの涙が伝うのを見た気がした






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