海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
ホンモノ
シャボンディに着き、ドフラミンゴと手を繋いで向かったソコはヒューマンショップだった
「さすが、オーナー。上玉を連れてきた」
裏口に立つ、人相も愛想も悪い男が声をかけてきたから、「ありがと」って返しておいた
この男はおべんちゃらなんて使いそうにないから、褒められたのよね
そのままドフラミンゴについて入って行こうとすると、返事に驚いてた顔をしかめっ面に戻す
「お前はこっちだ」
アタシの手首を捕まえて引っ張るから、ドフラミンゴから手が離れてしまう
「ちょっと、何すんのよ。ねぇ、ドフラミンゴ、待って?」
「アァ?」と機嫌の悪そうな声で振り返るドフラミンゴ....わざとね、その声
「アタシはこっちなの?」
ニヤリとした顔を、男は肯定の意味に捉え、ゆぅを掴む手に力を込めた
「売り物は大人しくするんだな」
「売り物?アタシはドフラミンゴの....」
「オーナーが見つけてきた女は大抵同じ事を言う。残念だったな」
黙ってニヤニヤして、遊んでる
「ドフラミンゴはアタシを売りたいの?買いたいの?それとも、暴れてここを壊せばいいの?」
「フッフッフ、壊されちゃぁ困るんだがなァ?どっかの物好きからお前を競り落とすのも楽しそうだ」
「じゃぁ、その物好きさんに手を貸してあげようかしら。フフフッ」
「なんだ?また家出か、ゆぅ?」
「前も今回も、ドフラミンゴがアタシを放り出してるんじゃない。今度は代理のお迎えは認めてあげないからね」
「....ゆぅ....サマ?」
「ヤメなさいよ、その呼び方っ!」
ゆぅは未だに手を捕まえている男を見上げて睨みつける
「お前がもしホントにゆぅサマなら、通して構わないと上司に言われている」
表情ひとつ変えずに話を進める男
「聞こえなかったの?ヤメなさいって言ってるでしょ、その『サマ』ってのを!」
「そう呼ぶように指示されている」
「誰よ、そのバカな上司とやらは!バカ上司のずっと上の上司はドフラミンゴでしょっ?ヤメさせて!」
「バカはセバスチャンだ」
「セバスチャンなわけ、ないじゃない!最初に言い聞かせたんだから!そうやって、なんでもかんでもセバスチャンに押し付けて!」
「いや、俺の上司はセバスチャンだ」
「どこのセバスチャン?アタシが言ってるのは、ドフラミンゴの船に乗ってる1番の部下よ。名前が同じなだけでしょ、もうっ!」
「合格だ、ゆぅさん。アンタはホンモノだ」
わけがわからずポカンとするゆぅ
「オーナーが気まぐれで他の女にアンタの名を名乗らせても通さないように、こんな方法をとった。すまなかったな」
「セバスチャンのヤツ、めんどくせぇことさせやがって」
「そんな事までしなくちゃいけないのは、ドフラミンゴの日頃の行いのせいじゃない。大変ねぇ、セバスチャンも」
「お前のバカ上司を呼んで、ゆぅを連れて行かせろ」
「なんでよっ!ちょっと耳の痛いところ突かれたからって....」
「お前がココの会議に興味があるとは思えねぇ。すぐに飽きんだろ?」
「そんなもん行くわけないじゃない!最初から言いなさいよ!」
セバスチャンが裏口に姿を現すとすぐに中から出てきたゆぅ
「みんなで怒られに来たの?」
「まさか。ドフラミンゴ様のいらっしゃらないうちに、ゆぅさんとデートしたい者がこれだけ集まっただけのことですよ」
「怒れないじゃないの、もうっ」
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