海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
悪魔の実
「マルコはな?ずっと『同類の情』とやらを抱えてやがって。だからオシオキごっことかやって、からかってたんだけどよ」
「また、そんなこと....あれは酒好きのアタシだからオシオキなんじゃない」
「宴の席で酒もメシもおあずけなんだから、たいていのヤツにとっちゃオシオキだ」
「みんなくだらない事に頭が回って、相変わらず楽しそうね、フフフフ」
黙ったままのサッチに気付いて、ゆぅは笑いを止めた。サッチが頭をあげ、抱えていたゆぅの腕が離れる
サッチも腕を離して、ゆぅの肩を掴まえる。まっすぐに見据えるサッチの瞳
その瞳に宿る色の意味は分かってる....でも、なんで?死んじゃったから?
「2年くらい前からだ....妙にお前のこと思い出しちまってよ?俺もマルコのこと笑ってらんなくなった」
「....2年前からアタシ....1人で海にいて....ドフラミンゴを忘れかけたりとか....最近やっと戻れたの」
「それでか。やっぱりチャンスだったんじゃねェか。でな、ゆぅを思い出すたびに、俺に何が足りなかったのか考えてたんだ」
「そんな....」
「会えねェとは思ってたんだけどよ?でも、会えるかもしれねェ事が....悪魔の実を手に入れたんだ」
サッチは肩から離すと、その手でそのままゆぅを抱きしめた
「これでゆぅを迎えに行けると思った」
「サッチ....あの時は、たまたまドフラミンゴが能力者だったからで、そもそも悪魔の実は関係ないのに」
「いいんだ!俺が必要だと思ったんだからよっ。それに....何の実か調べようとモタモタしてたら、奪われちまった。情けねェ」
ゆぅを抱く腕に力が入る
「譲れなかったから、命を賭けた。その結果がコレだ。船にいたから油断してたんだな」
「船....仲間?家族に?」
「俺から悪魔の実を奪ったヤツは逃げて、ソイツを追って隊長だったヤツが船を飛び出した。さっさと食えばよかったのに、俺のせいで家族がメチャクチャだ」
ゆぅはサッチの体に腕を回して顔を埋めた
「泣くなよ、ゆぅ。だってな、ある意味これも惚れた女のために死んだってヤツだろ?俺的にはいいんじゃねェの?」
「アタシのためじゃない、アタシのせいよ....ゴメン....アタシがちゃんとしてなかったから」
「そんなことねェって。ゆぅを手に入れるためにやれるだけやったんだ。悔いはねェし」
「でも、アンタ達の、家族の絆が....」
「そうだな、ティーチなんか放っておきゃ良かったのによ。オヤジの言うことも聞かねぇで、バカな弟だぜ」
「そう....ティーチが船を下りたってそういう事だったのね」
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