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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
久しぶり
「あれ?お前、聞こえんの?もしかして見えちゃったりとか?よ、久しぶり!」


声に顔を向ければ、海の中になんているはずのない人物がニコニコと手を上げている


「サッチ!え?なんで?」


「やっぱり見えんのかよ、相変わらず俺の乏しい想像力を超えてんな?....ちょっとな?しくって死んじまったぜ、へへっ」


「死んじまったって言いながらヘラヘラ笑ってる人、あんまりいないわよ?サッチって大物だったのね」


「そりゃそうだ。男を見る目がまだなっちゃいなかったな?ま、ゆぅが俺に会いに来てくれるなんて、成仏しねェで良かったってやつだぜ」


あれから7年。それなりに歳は重ねたみたいだけど、話し方も考え方もそのままで....


「フフッ、相変わらずね?死んでも治んないってことは、そういう魂ってこと。いつか生まれ変わっても、そんな感じよ、きっと」


「そーか。それじゃあ、女の子に話しかけられもせずモジモジ過ごすような事はねェってことだな。よかった、よかった」


腕を組んで真面目な顔で頷いているサッチについ笑ってしまう


「確かに、それはらしくないわね、ウフフ....ねぇ、割と最近でしょ?未練たらたらでも、そう長くは海にいられないわよ?」


「こうなってからは時間とかよくわかんねェし。3か月か?半年か?1年?いや、10年?」




ふざけていたサッチの顔にふと浮かぶ感情。悲しそうな、悔しそうな....


「未練って言やぁよ?俺が死んじまったせいで、家族が大変な事になっちまった....俺のせいなんだ」


「サッチ....」


ゆぅはサッチをそっと抱え込んだ


「あったけぇなぁ、ゆぅ....母ちゃんみたいだとか言ったら怒るか?」


「そんなことないよ。全ての海賊....海の子はアタシの子供みたいなもんだよ」


「そっか....へへっ、でも生きてるうちに生身のゆぅにこうして欲しかったんだけどなぁ?」


ゆぅの腰に手をまわしたサッチの表情は、横を向いていて知ることはできなかった


「もー....ほんと、死んでも治んないんだから、しょうがないわね」


「ハハッ、いいじゃねェか。マルコもジョズもいねェんだからよ、しばらくこうしててくれよ」


少しだけ懐かしい名前に心がざわりとした





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