海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
声なき声
「ドフラ、ミンゴ....夜明け....ね」
「アァ、美味そうだな」
「うま....そ?....ン」
「朝日に照らされたお前の体に決まってんじゃねェか?」
「バ....っ!」
「一日の始まりに果てんのも、イイ、だろ」
崩れるように重なると、ドフラミンゴは最後の涙を舐めあげてゆぅの唇に運んだ
「ノックぐらいしやがれ」
「俺は朝と言っておいたはずだ。勘違いするな、待ってやったのもゆぅのためだ。時間がない、さっさと....」
「海へ....新世界の海にして」
ドフラミンゴの腕の中、朝焼けを見ながらゆぅは静かに告げた
「では、いい加減離してもらおうか、密着以上の体を」
「色気のねェ事、言いやがる」
ベッドの上にドカッと胡坐をかくドフラミンゴ。シーツを羽織るように巻き付け起き上がったゆぅ
「フッフッフ、あの時孵化したヒナ鳥が卵に帰っちまったみてぇだぞ?」
再会した次の日、漁船の上でドフラミンゴに包まれたアタシ
懐かしいような、くすぐったい気持ちで自然と笑みが零れる
よかった。泣かずにアナタを見たまま去れる
近いてくるくまの大きな手
その手が触れる瞬間、ドフラミンゴの口が声なく動いてアタシの名を紡いだ
続く言葉を見届けたくて。無意識に拒否した、くまの能力....でも....
見届けてしまったその言葉に気を取られ、アタシの視界は闇に変わり、体は宙を飛んでいた
なんで......
なんでそんな事、言うの?
――ゆぅ、すまねぇ
「舞台への航跡」
End.
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