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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
2人の時間
 
 
 
――明日、処刑されんのはエースだ





そんな全力で、すがったりすんじゃねェよ。言っちまうじゃねェか



吐き出しそうになった言葉を無理矢理押し込めば、大きなため息に変わった




ビクッと肩を震わせて見上げてくるゆぅ


「ア、アタシ....何、言って....」


「フッフッフ、俺の不安もお前の不安も、溶かして飲み干しちまえばイイ」


「ドフラミンゴ....」


困惑した泣き顔から驚きに変わるゆぅの顔


フッフッフ、イイ笑顔ができたじゃねェか


「涙は、不安も溶かすのよ?」


「アァ、そうだな」


「泣かないドフラミンゴの分も、アタシが涙を流してあげるから....全部、飲み干して?」


「俺が涙だけで足りるわけねェだろう?」





額、瞼、鼻、頬、唇


ゆっくりとキスを落としながら、服を脱がせていく





「大好きよ、ドフラミンゴ....世界中の誰にも負けないくらい」


「恋に飢えたガキのような台詞だな。フッフッフッ、悪かねェ」




永遠のような一瞬を重ね合わせながら、2人の時間は過ぎていく




「なんか....デジャヴ?」


「JOKERのヤツが妬いてるだけだ、気にすんな。お前は俺のモンだ」


「フフッ、そうだったの」


「嬉しそうな声で笑いやがって....俺に抱かれてる時に他の男の名を....」


「アタシは言ってないわよ?ウフフ、自分と取り合うのも大変ね」


「....随分と余裕じゃねェか。飲み足りねェか?ちょうどいい。俺もヤり足りねェと思ってたところだ」


ゆぅの抗議の声が聞こえるが、愉しませる要素にしかなりゃしねェ


――1000年以上前から、俺達は繋がってるんだ。今さら妬いたりなど....


フッフッフ、お前は俺だが、俺はお前じゃねェ。俺は『特別』だからなァ?


ゆぅを酔わせてやれんのは俺だけだ。鳴かせるのも泣かせるのもなァ





明日だ....
お前と歩く道を見せてやる


「ゆぅ、愛してる」


らしくねェ俺の言葉に流れた嬉し涙を約束通り飲み干したあと、2人でワインを分け合いながら抱き合った




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あきゅろす。
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