海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
余韻
七武海達を見送ると、ドフラミンゴはアタシを膝の上から下ろして立ち上がる
手を繋いでくれるまで一瞬の間があったのはきっと気のせい
部屋に戻ってきたのに、手を繋いだままドアにもたれて窓の方を見てるのは、きっと何か企んでるせい
「最後の歌....」
呟いたドフラミンゴの声が違ったのは、きっとはしゃぎすぎで疲れたせい
「フッフッフ、『おまえが欲しい』って言われちまったらなァ?」
ほら、いつものドフラミンゴ
「ただの歌よ?それに、言わなくったって、結局、同じなんでしょ?ウフフ」
思わずホッとしちゃったのは、ここへ来てからずっと気を張りすぎてたんだと思う
「ゆぅは言わねェからなァ、自分の望みを。歌だとしても貴重な誘い文句だ」
「アタシ、結構ワガママ言ってるけど?」
「わかんねェならイイ。大した差はねェさ」
引き寄せて閉じ込めてくれる腕が優しいのは、きっとアタシを心配してるから
「歌って踊って、世界の鼓動とやらは感じられたのか?」
「さっきの歌がそんなに気に入ったの?フフフ、そんなのいつだって感じてるわよ。それにね....」
きっと、歌に想いがこもっちゃったから、2人とも余韻に浸りたくなっただけ
「アタシには、世界があのミラーボールみたいにキラキラ輝いて見えるの。みんなが楽しくなるほど、どんどん輝いて。だからつい騒ぎたくなっちゃうのよ、きっと」
ベッドの上に移動して寄り添うように座ったアタシに、ドフラミンゴはさっきからずっとワインを飲ませてくれてる
酔わないアタシを酔わせたいかのように
口移しで与えられれば、アナタに酔うのを知っているから....さっきから、ずっと
「明日の不安なんて考えずに、俺に抱かれてりゃいい。そうすりゃ世界の行方も信じられんだろ?」
「......不安を抱えてるのは、ドフラミンゴの方じゃない」
何も言わずキスをするドフラミンゴ
こんな....優しいキス
「ゆぅ....」
ドフラミンゴの舌が頬の涙を掬い上げた
「....らしくない事ばっかり。不安なのは、アタシが知ってしまう事?アナタの身に起こる事?」
だからアタシも不安になるんじゃない....
「ねぇ。このままもう会えなくなったりしたら、いやよ..........ドフラミンゴ....」
何も言えなくなって、ドフラミンゴのシャツを握りしめて....泣きついてしまうなんて
ドフラミンゴの深いため息が聞こえた
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