海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
ディスコ
特に問題もなく食事が終わったのを見届け、ガープが戻ろうと腰をあげた時、部屋の照明が一斉に消えた
「七武海なんてバカなもんになったアンタ達だけど、それでもちゃんと海賊みたいだから....死なないで」
暗闇に響くゆぅの声
「乗り込んでくるバカな海賊も、さっさと仲間を助けてさっさと帰ればいい....みんな、政府の企んだくだらない事のために、死んじゃ、やだ」
スポットライトが胸の前で手を組むゆぅを照らす
「海賊は、海賊らしく生きて、海賊らしく死んでいけるように....明日、アタシは祈るしかできないから」
その伏せた面持ちにガープは胸が痛み、何度も押し込んだ葛藤が込み上げる
「明日の事は忘れて、みんなで騒ごっ!」
ゆぅが微笑んだ顔を上げて言ったその言葉を合図に、様々な色のライトがつきミラーボールが回り始める
驚いたガープが息を飲んだ瞬間、流れ出す大音量の音楽
「戦争前夜の余興にディスコたぁ、やっぱりおもしれェ女だぜ、キシシシシ」
「相変わらず、人が集まれば飲んで騒ぐ事しか頭にないのか....」
嗤うモリア。ため息を吐くミホーク。顔色一つ変えず、微動だにしないくま
「明日に備えて皆休んどるんじゃ!騒ぐなっ、バカもーーーんっ!」
怒鳴るガープに、防音したから大丈夫と、舌を出すゆぅは、もうドフラミンゴと踊りだしている
止めさせようと人を呼びに廊下へ出たガープは、わずかに漏れるだけの音楽に1つため息をついた
「この程度なら構わんか........すまんな、ゆぅ。わしはやはり海兵じゃ。処刑は止めてやれん。お前が知れば止まるのかもしれんのにな....」
しばらく部屋のドアに頭を下げて、晩餐会の報告のためにセンゴクの部屋へと向かった
「日付も変わろうというのに、いつまで騒いでおるのじゃ!うっとおしい!」
荒々しくドアを開けて入ってきた人物に、こっちこっちと手招きするゆぅ
「カワイイ子が来た。一緒に踊ろう?」
「わらわは止めよと言っておるのじゃ。よいな、今すぐ止めるのじゃ」
腰に片手を当ててゆぅを指差し、見下しているつもりのハンコックの顔を、ドフラミンゴに抱えられ上から覗き込むゆぅ
「そんな格好したら、顔が見えないじゃん。カワイイのにもったいない」
「わ、わらわを見下ろすとは無礼な!」
「ウフフ、ゴメン、ゴメン。じゃぁ、最後にあと1曲歌って終わりにするわ」
♪♪♪ MY ♪ WINDING ♪ ROAD ♪♪♪
「やられたな、ガープ」
「あぁ、すまん。だが、あの防音でまさか歌声が建物に響き渡るなど....」
「声?心に直接響いたんだろうね。困った子たちだよ、わざとでない分、余計にね」
「深読みしなければただの歌だ。『時代』も『世界』も我々のいいように受け取ればいい。今夜はもう何もあるまい」
センゴクは深い息を1つ吐いた
「....明日だ」
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