海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
返事
「ゆぅさんがどなたかと話されたり、独り言で呟かれたり、ドフラミンゴ様の名前を口にされると聞こえたそうですよ」
セバスチャンを睨んだままのドフラミンゴは、ちっともアタシを見ようとしない
「ですから、心配されていなかったのではなく、心配する必要がなかったのです」
「フフッ、ウフフフフッ。よかった」
アタシの笑い声を聞いて、ドフラミンゴはセバスチャンを睨むのをやめて、プイとあちらを向いてしまった
「よろしいではありませんか。このくらい教えて差し上げても。さみしい思いをされてきたのですから」
「そうよ、さみしかったわよ?ねぇ、ドフラミンゴが『声が聞こえた』って、セバスチャンに言ったの?」
胸元に押しあてられたままのドフラミンゴの頭。髪の毛をかき混ぜるけれど、返事はない
「時々『ゆぅ』と呟かれてましたので、なぜいらっしゃらないのにそんなに嬉しそうに呼ばれるのかと、尋ねたのです」
「嬉しそう?」
「はい。どうやらゆぅさんの声に答えてらしたようです」
「いい加減にしろ、出ていけ!進路はリバースマウンテンだ!」
声もなく笑いながら出ていったセバスチャンに、本当の事なんだとわかる
「フフッ。ドフラミンゴ?......ドフラミンゴってば....ねぇ、ドフラミンゴぉ」
クソッ、余計な事言いやがって。あんまりしつけぇから、しぶしぶゆぅに顔だけ向ける。お前....
「....ゆぅ」
んな、嬉しそうな顔してんじゃねぇぞ
「ドフラミンゴ、大好き!早い流れに乗せて、あっというまにシャボンディに連れてってあげる」
リバースマウンテンを飛ぶようにおりてきた船は、そのままの勢いで進んであっという間に小さくなっていった
「無事に帰りついたか。律義に挨拶までしていくとは....あの様子なら、小僧のことは大丈夫そうだな」
見張り台にある大きなピンクの塊。それに包まれ、満面の笑みで手を大きく振るゆぅの姿があった
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