海の青と月の気持ち 〜 QUEEN 譲歩 「なぜ....私は、能力者では....」 「アナタの体に残ってる毒を抜いたの。自浄作用でこの先1ヶ月は、高熱にうなされる。耐え切れば元の体に戻るわ」 「な....」 波の音に消される2人の会話 「本当の姿じゃないことくらいアタシにはわかるわよ。この船の誰もが知らなくても。ゴメンね、アナタには必要だったのに」 「ゆぅ、さ....」 「大丈夫。その姿でなくても、ドフラミンゴはアナタを捨てたりはしない。優秀で大事な部下....必要な人だもの」 意識を失ったセバスチャンを抱え上げ、クルーに引き渡す 「ひと月くらいは熱で動けないから、その間は頼れないわ。みんな、しっかりね」 船長室へ、と続けた言葉に驚くクルー達 「この船で1番いい環境だもの。死なせたくなかったら、意識が戻る度に水を飲ませてね」 事態の深刻さを理解したクルーに微笑むゆぅ 「みんなにとっても大切な人だもの。何があっても支えてあげて?」 頷くクルーに背を向けてゆぅはドフラミンゴの元へ向かった 「何しやがった?」 「アナタの大事な部下に悪い事するわけないでしょ?何をしたかはアタシとセバスチャンの秘密よ、今は」 渡し板を歩いてくるゆぅ 「船に戻ったら本人に聞いてみればいいわ。フフッ、気になって死ねないでしょ?」 「ところで、俺は『諦めろ』と言ったはずだがなァ?」 「戦場には行かないわ。でも戦場になるまでは一緒にいさせて?くまがいるんだから、その時が来たら飛ばしてもらえばいいのよ」 「フッフッフ、お互い最大限の譲歩だな。勝手にうろつかれるよりはいい」 手を繋ぎ2人は軍艦に乗り込むと、見送ろうとクルー達が全員出てくる 「アタシ達は大丈夫。心配してくれてありがと!セバスチャンをお願いね。みんな、大好きよ!」 笑顔で大きく手を振るゆぅ ドフラミンゴが後ろから抱きついて耳元に囁く光景に、クルー達は「大好きなんて言うから」と苦笑しながらも安堵した 「無理になったら、すぐ帰れ......この先、離れんじゃねェぞ」 ドフラミンゴがしっかりと抱えたゆぅの体は、細かく震えていた [*前へ][次へ#] [戻る] |