海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
迎えの女
「限りある夢の時間だったけど....あぁ、それで中身はあの頃の『ゆぅ姉ぇ』の歳だったのね?でも、それなら別に見た目まで変えなくったって...」
「フッフッフ。経験上、そのくらいからがヤリ心地がイイからなァ?」
「バカじゃないのっ?こんな時にそんな事!」
ドフラミンゴの体を突き離し、ビンタを喰らわせるゆぅ
「フッフッフ、お前の『バカじゃないの』は『愛してる』にしか聞こえねェって言ってんじゃねェか。アァ、だから言ってんのか」
「........?っ!ちが、違うわよ!」
急に困惑の表情を浮かべ、全力で否定するゆぅ
「なんだァ、その間は?脈ありかァ?」
カケラもそんな事は期待していないドフラミンゴはゆぅの慌てっぷりに意地の悪い笑顔を浮かべる
「違うってば!知ってるじゃない、アタシは....それが....」
シュンとうなだれてしまったゆぅを見て、不思議そうな顔をするマルコ
ドフラミンゴはゆぅの頭に手を置いてニヤリと撫でながら、顔はマルコに向けて答える
「アァ。お前には分かんねェんだろ、『愛してる』ってのがな?」
マルコの眉がピクリとしたのを見て、ドフラミンゴは愉快そうに嗤う
「フッフッフ、ちゃんとお前は『みんな愛してる』ぜ?だがそりゃァ、裏を返せば『誰も愛してねェ』のと同じってだけだ。フッフッフ、さらにタチの悪りぃ事に....」
顔をあげたゆぅの頬に手を添えるドフラミンゴ
「お前のは『家族愛』が国や世界へ広がったもんだからな。そのど真ん中にどっぷり浸かってたJOKERが、ゆぅをオとせるわけがねェ。何千年かかろうがなァ」
波打ち際に着いた小船に向かって歩き始めたドフラミンゴは、マルコの横で一旦立ち止まると何かを耳打ちして、またニヤニヤとした
「ゆぅ、また遊んでやるから、妙な情にほだされんじゃねェぞ?フッフッフ、てめぇの船までお送りしてやるか、鷹の目」
「当然だ。俺の船を隠してしまいおって」
「このまま俺の部下になっちゃァどうだ?」
くだらん。と、迎えの小舟に乗り込んでいくミホーク
迎えの女が立ち上がり深々と頭を下げる....が、ドフラミンゴが乗ってもまだ頭をあげることはなく
「いつまでも泣いてねェで、さっさと帰るぞ」
「すぐそこなのですから、ご自分でなさってください。このような時くらい、気をお使いになってもよろしいでしょう?」
「フッフッフ、俺の船に乗る女は、ゆぅみてェに言う事聞きやしねェじゃねェか。どうしてくれンだ、ゆぅ」
「そんなの、ドフラミンゴの日ごろの行いのせいでしょ?....ふふふ、アナタは必要な人だもの。これからも相変わらずで大変だろうけど、きっと楽しいわよ。元気でね」
「はいっ....ありがとう、ございます」
頭を下げ続ける女に諦め、ドフラミンゴは自ら小舟を進め船へと戻っていった
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