海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
choice 未来
「アタシはちゃんと分かってたわよ、父上。まぁ、ちょっと真面目に決めたかったから、そのくらいでちょうど良かったしね」
『ゆぅ〜っ!さすがは俺の娘だ、ふざけどころがわかってる!』
....言ってる事が間違いなくゆぅの親だよい
「この親にして、だな。その上、まるで赤髪のような騒がしさだ」
『ん?お前、ホントに鋭いな。多分アイツは兄貴だ、なぁゆぅ?』
「うん。『自由』の国の最後の国王サマよ。だからシャンクスが持ってた方のエメラルドにいたんでしょ?」
『おう、俺の嫁を兄貴に触らせてたまるか』
「何が嫁だ、ムコ国王が」
『なんだとJOKER?俺が自由を信条に生きてなかったら....堅物な国王だったら、ゆぅの子守りなんかさせなかったぞ?『ゆぅが成長したら、俺のモンにする』だなんて、聞いたら即刻、国外追放モンだっ』
「俺だって生まれ育ったのは『夢』だが、血は『自由』の方だからな。ダメだと言われたって聞くわけがねぇ」
ギャーギャーと口げんかを始めた2人を笑いながら見ているゆぅは、時々煽るばかりでまったく止める気配がない
『姉さま、笑ってる場合じゃあ....父さまもJOKERも、そろそろお終いにしないと....』
『ふふ、ケンカするほど仲がよろしいんでしょうけどね。いい加減になさい、3人とも』
静かな声にピタリと騒ぎの止んだ神殿
『ゆぅ、時間は限られているのですよ』
「母上....」
『海にはならない。守護者であるパートナーは不要になった。私たち3人の魂をROUGEのようにあるべき普通の巡りゆく魂に戻す。では、アナタ自身は?』
女神の再来とまで言われたほどの叶人だった母上には、やっぱり敵わない....夢をしまっておくなんて、できそうもない
『これほどハッキリと過去に区切りをつけたのだから、求める物があるのでしょう?私はアナタの見ている未来を聞きたい』
「アタシの、未来は....」
でも、そんなの、言えない。だから、ふざけているうちに時間切れになればいいと思ってたのに
「ふふっ、もう、母上ったら!未来なんて、何が起こるかわからないのよ?だから人生楽しいんじゃない。今を一生懸命生きてたら、また次の道が見えてくるから大丈夫よ」
「フッフッフ、正論だが正解じゃねェなァ」
「怖気づくなど珍しい事もあるものだ」
「ドフラミンゴ!ミホーク!何、分かったような口を....」
「問題ねぇ、俺が見張っておくよい」
「マルコ!?アンタ、何言ってんの?」
「ゆぅの未来は俺が見ていてやるって言ってんだよい。海を使い過ぎそうになったら空に拉致りゃぁいいんだろい?」
「能力者のくせに!海の中のアタシをどう拉致ろうってのよ!」
「俺が海に沈んだら拾いに来てくれるよい」
「なんで、アタシがそんな事!」
「ゆぅは不死鳥を見殺しにできねぇだろい?」
ククッと意地悪く笑ってマルコはゆぅに近づいて行く
「俺も海賊だ、欲しいモンは逃がさねぇよい。この世の終わり、海が枯れるその時にもこうしててやるよい」
動けずにいるゆぅを包み込んだ青い鳥
「なに、バカな、ことを....」
やっとの思いでそれだけ言い、ゆぅは唇を噛み締めた
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