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海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
choice 過去
「フッフッフッ、相変わらずお前らの会話は言いたい放題じゃねェか。それで成り立っちまうのが妬けるがなァ?」


神殿に入るなり座り込んでくつろいでいたドフラミンゴは、そう言うと井戸の向こうへ呼びかける


「『生きがい』だァ?そりゃァそうだろうサ。あの国の名前の由来は『夢』だったよなァ、国王?」


『そうでもあり、そうではない』


「....そっか。知ってるんだったわね、ドフラミンゴは....」


「アァ、お前の事なら誰よりもだ!」


座ったまま大きく腕を広げるドフラミンゴに微笑みながら歩み寄ると、ゆぅは膝立ちになりその胸に寄り添って背中に手を回す


ニヤついていた顔を本当の笑顔に変えたドフラミンゴは、包み込むようにそっと、だがしっかりとゆぅを抱きしめた


心から慕っている....そんな安心しきった笑顔で見上げるゆぅ


こぶしを握り締め、ギリリと奥歯を噛み締めたマルコは、それでも睨みつける事も目を逸らす事もできずにいた




もう一度、頬をドフラミンゴの胸に当て静かに目を閉じるゆぅ




「父上....アタシ、決めたの」


『....そうか』


「一緒に........いい?」


『お前の事だ。お前が決めればいい』


「うん、ありがと」




ドフラミンゴに回した腕に力を込めるゆぅ


応えるように、ドフラミンゴもその腕に力を....




冗談じゃねぇよい、そう何度も連れていかれてたまるかよい!


金縛りのように何かに体の動きを封じられていたマルコがやっとの思いで一歩踏み出したと同時に、

―― 止めろ!

神殿に響いた意思の声




戸惑うようなドフラミンゴ。体の芯に『何か』が集まるのを感じると、背中にあったゆぅの手の感触が一気に消えグラリと起こる目まい


一瞬のまばたきの後、目の前には大きな光を抱えるゆぅが立っていた




「フッ、笑えねェなァ?お前の選択はそいつか、ゆぅ?」


徐々に人の形になっていく光


「ずっと一緒だったが、お初にお目にかかるじゃねェか....JOKER!」




抱きつくゆぅの頭をそっとなでる手


「予想以上のイイ女になったな、ゆぅ......残念だ。俺には落とせなかったよ、国王」


『お前の執念には感謝している。千年を超える時の中で、ゆぅが海を出るたびに側で支えてやってくれた』


「え、海を出るたび?」


「名乗り出たのはあの時と今回だけだったけどな。俺は必ずどこかにいたんだよ」


「....やっぱり、そう、だったのね。いつも背中を押してくれる人がいて。そのたびに、JOKERみたいな人だって思ってたの。でも、アタシJOKERの魂だけはわからなかった」


―― ドフラミンゴ、JOKERなのっ?


「あぁ、俺はそこの黒いヤツと違って、こっそり後ろから眺めるタイプのストーカーなんだ」


『よいのだな、ゆぅ。JOKERは我々と一緒に普通の魂に戻ってしまって』


「ゆぅが決めたんだろ、過去は思い出、執着して生きるもんじゃねぇって!だいたい、さっきから何だ、てめぇは。らしくねぇしゃべり方しやがって、気持ち悪りぃったらねぇ」


『....ばらすなよ、JOKER。そこの3人は知らねぇのに....こう威厳がある方が、いにしえの国王って感じで、カッコイイだろ?』


『やっぱり、そうだったのね。うふふふふ、アナタったら、もう』


『母さま、笑いをこらえるのに必死だったものね?JOKERもちょっと格好つけてたし』


「これは処世術のひとつさ、ROUGE」


『女の子を虜にする、ね?』


あまりの場の雰囲気のくだけっぷりに、3人の海賊たちは呆気にとられてしまった



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あきゅろす。
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