[携帯モード] [URL送信]

短編集
A


─♪─♪



お。



その後、すぐにメールの着信音が鳴った。


きたきたパスぅぅ!


ちょっと眠くなってきてたけど、そんなもんは吹き飛ばして、ケータイを開いた。


ふっふっ腐。


にやにやしながら受信ボックスを見てみる。


だけど。




……え?



思わず、目をぱちくりさせた。


だって……え?

え? なにこれ?



今は夜2時くらい。

暗い部屋に光るケータイの画面が眩しい。


受信ボックスに届いたメールは、さっき登録したメルマガからだった。


それはいいんだけど…。

え、っと……?


メールの内容に、思わず目をぱちぱちさせる。


メールの内容は



『件名:初めまして


 こんばんは、トーマさん。僕はヨウといいます。

 早速ですが、僕とお友達になってくれませんか?

 何だか斗真さんとだったら仲良くできそうな気がしたんです。

 僕も漫画とか好きなので話も合うと思います。

 ダメ…ですかね?

 トーマさんはどんな漫画を読むんですか?

 良かったら、メールくれると嬉しいです。』





というものだった。



……え?


……何、コレ??



イヤな予感がして、心臓がバクバクする。

え……もしかして……。



本文に載っている、このメッセージをホームで確認する、というURLにアクセスしてみる。

直ぐにそのサイトに繋がって、メッセージが表示された。

そこからtopに戻り、俺はドキドキしながらそのサイトを見てみる。


そのサイトは、俺の予感が的中。

出逢い系サイトだった。

しかも、どう見てもゲイ専。



……え? えぇぇえ!?



登録メンバーは見事に男しかいなく、ネコ、タチ、リバと細かく分けられている。

ちなみに、俺は何故か希望は特になし、になっていた。



な、何でじゃあッッ!!!



心の中でツッコんでみたが、心臓はイヤにドキドキしていて、冷や汗をかいていた。

心臓がバクバクする。


何だか、見知らぬ暗い森に迷い込んでしまったかんじ。



え、これ、どうすればいいの?


パスは届かないし、変なメールきたし。



そうやってグルグルとパニクっている間も、ケータイにはメールが届く。

鳴ったメールの着信音に、ドキリとしながら恐る恐る受信ボックスを開いてみた。


やっぱり、サイトからのメッセージ通知だった。


内容は、さっきと似たようなもの。


“初めまして”
“仲良くしましょう”
“メール待ってるね”


そんなメッセージが届く。


頭がガンガンした。



どうしよう、どうしよう



こんなことは初めてで、俺は真夜中に一人布団を被った。

もう夜の2時だというのに、眠気なんて吹っ飛んでいて、心臓が早鐘のように鳴っている。





──ああ、俺はなんてバカなんだ。


17歳なのに、18禁サイト見ようとしたから。

パス制な時点で諦めれば良かったのに、メール送っちゃったから。



俺は布団の中で激しく自分を責めた。





──真夜中。


周りには誰もいない。家族ももう寝てる。友達もみんな寝てるに違いない。


相談できる人もいなければ、周りは静まり返っていて真っ暗。

ケータイの液晶画面だけが光っている。





まるで絵に描いたようなマヌケぶり。



──あああ俺ってマジバカ。

マジタヒねばいいのに。




そうやって俺は頭を抱えた。






……そして、冒頭に至ります。










[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!