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星空の瞬き
ベテルギウス
「お前は…自分の体をちゃんと理解しているのか。」


はぁ、と溜め息を吐いているのは私のヒーロー琥太郎先生。
発作が治まり数分。私は何故か琥太郎先生と颯斗を前に保健室のソファで正座をさせられていた。


「…ムカついたから…」
「気持ちが昂ぶったら発作が起きるって知ってましたよね…?」
「…ごめんなさい。」


心配かけてごめんなさいともう一回呟くと、2人共もう一回大きな溜め息をついた。


「でも、もう限界だったんだ。月子達の友情ごっこにも。」


3人で幸せそうな顔をして笑っているのを見ているのも。私が幸せでは無い気がしてきて。私は幸せなのに。


「もう今日は帰れ。担任には俺から言っておいてやる。」
「そうですね。今日はもう帰りましょう。」


颯斗が時計を見て、授業までまだ時間がありますから寮まで送って行きますよと私の手を取って立ち上がった為、私も釣られて立ち上がる。1人で大丈夫と言うけれど、また倒れられては困りますと言われると言い返せない。


☆★☆★☆★
ブーブーブーという音が聞こえてはっと目を覚ます。颯斗に寮まで送られてからいつの間にか寝てしまったみたいだ。少しシワになったスカートを伸ばしながらベッドから立ち上がり、携帯が置いてある机へと向かう。


携帯には着信と月子の文字。一瞬携帯を取るのを躊躇ったが、通話ボタンを押して耳に当てる。


「…もしもし。」
『あ、星羅ちゃん?さっきは大丈夫?後で保健室に行ったら星月先生が帰ったって言うから心配してたんだよ?』
「もう大丈夫。…で、用件はそれだけ?」
『えっとあの…それでお昼の事なんだけど、私何か怒らせるような事言ったよ…ね?』


暫く沈黙が続く。先に言葉を紡いだのは月子だった。


『…まだ怒ってるよね…「あのさ」うん。』
「私が最後に言った言葉憶えてる?」


「私に関わるな…って言ったんだけど。」
『そ…れは…』


鼻をすする音がする。すると代われという声がして、次に受話器からは哉太の声が聞こえた。


『おい星羅、お前なんなんだよ。そんなに月子虐めて楽しいかよ。』


ちょっと哉太、返して。いいから月子は少し黙っていなさい。と電話の奥から月子と錫也の声が聴こえる。
…あぁ、月子はまた守られているとぼーっとしながら思った。


「虐めている?私が?」
『…現に月子は泣いてるんだよ。「あぁ、そうなんだ。それは大変だ。ま、精々マドンナを守り切る事だね。」…おい、いい加減にしろよ!』
「いい加減にするのはお前だよ七海。」


自分でも信じられない程の冷たい声が私の口から発せられた。


「私にお前達の理想をなすり付けないで。私はそんなに出来た人間じゃない!仲良しごっこなら3人で仲良くやっていれば良い。…二度と私に話し掛けるな!!」


ブチっと勢い良く電話を切る。携帯を閉じた音が部屋に虚しく響いた。


(ベテルギウス)
(それは爆発寸前)




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あきゅろす。
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