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04




細やかな霧雨が降りしきる中、静かな静寂が身を包む―――かに思われた。



「よーっし、じゃあ契約成立ね!!」


「…は?」



え、ちょ、今までの荘厳な雰囲気は?シリアス展開は?

と言うか次元の魔女なんて厳つい肩書きのクセにこんな適当なノリで良いのか!?



「じゃあまずはコレを貴方に授けましょう」



そう言った次元の魔女・通称佑子さんの手にはいつの間にか繊細な装飾の刀が収まっていた。



「(…いつの間に。)」


「その刀はね、龍牙紋って言うの。今から貴方が行く世界には、貴方を狙うモノが沢山いるわ。」


だからコレはいわゆる護身用ね♪


そう言って渡された太刀を眺めて、はぁ、と気の抜けた返事をする。


……ん?今から貴方が行く世界?



「え、いや、そんなまさか。」


そこまで考えて行き着いた結果に、俺は『ないないない!!』と自己完結をしようとした。

しかしそんな俺に追い討ちをかけるように、今まで大人しかったハズの刀が突然淡く光り出す。



「あ、言い忘れてたけど、その刀体内に入り込むのよね〜。出すときは念じるだけで一瞬で出て来るから!」


「そーゆーことは最初に言って下さいよ!!」



うえ、取り込むときの感触がちょっと嫌だ。
そんな俺の思いも虚しく、ずず…、と刀は俺の手のひらに溶けていった。


「それじゃー和泉君、行ってらっしゃーい!!」


佑子さんがそう言うが速いか、すでに俺の体の周りには風の膜のような物がまとわり付き始めていた。



「へ!?あ、そうだ、対価!!」


対価は!?と渾身の力を込めて叫ぶ。



「対価なら、もう貰ったわ。」


「(え…?)」



ヤバい、意識がだんだんと遠くなっていく。



「―――自分で道を切り開くのよ。そうすれば…」


自ずと答えは出るわ



薄れゆく意識の底で、佑子さんのその言葉を、俺は確かに聞いた気がした。


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あきゅろす。
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